れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

国際感覚ってこういうこと:『50mm』

面白い雑誌が出ました。

高城剛氏が世界中を飛び回って風景や人をカメラで切り取り、国際社会の"今"と"これから"について書いた大判の雑誌です。

出版不況と呼ばれる昨今、「雑誌が売れないのは読者よりも広告主・企業に寄った内容でつまらないから」と断言する高城氏にとても共感し、本書を街の書店に買いに行きました。

 

前の職場がマスメディア企業だったので、この傾向がすごくわかるんですよね。

特に民放のテレビやラジオは視聴者から受信料をとっていないので、売上はスポンサーからか、公開収録やフェス等のイベント収益に限られます。自社の媒体価値は視聴者の質と量に担保されているのに、どうしても売上至上主義で視聴者よりもスポンサー企業の喜ぶものを作ろうとする傾向があります。(特に営業)

SNSやWEBメディアが民放より面白いと思うのは、制作している当人が自分で見て自分で書いて自分で編集して自分で発信している個人の経験に基づくコンテンツだから。個人の"リアル"がオンラインに溢れているのに、ご都合主義の広告コンテンツばかり放送していれば、受け手が民放にシラけて視聴を辞めるのも当たり前です。

雑誌もきっと似たような構図なのでしょう。

 

この雑誌では欧米の大麻ビジネスの最前線や、難民問題その他で揺れるヨーロッパの国々、宗教と資本主義に揉まれるアフリカの国など、世界中の様々なトピックが取り上げられています。

 

私が特に興味を持ったのは皆既日食とそれにまつわるフェスの話です。

現在は日本国内も春先から夏の終わりにかけて、全国的に音楽フェスが盛んですが、正直どこも似たようなラインナップ・似たようなグッズ展開・似たような会場レイアウトとフード出店で、なんだかつまらないなと思いませんか?

自分も以前フェスの運営側で働いていたのですが、毎年会社の売上の大部分を占めるフェスイベントは、集客を上げるため旬のアーティストを呼べるかどうかが一番の鍵で、当然"旬"な彼らはギャランティーが高額なので、チケットは即完売となり売上は上がるものの経費も相当かかり、結果薄利で運営的にも疲弊するだけ。

おまけにせっかく人気バンドを呼べたとしても、翌日や翌週に近場で開催される別のフェスにも"旬"な彼らは出演するわけで、結局同じようなラインナップとなり、自社のフェスの独自性も強みもあったもんじゃないです。

こんな現状を高城氏は鋭く記述しています。

21世紀に入り、フェスは特別なものではなく常態化された「コンビニエンス」なパーティに変わり、ヘッドライナーのギャランティの高騰から、ナショナルスポンサーが絶対的存在となる。資本主義下の巨大な集金装置となってしまった。それゆえ、毎年同じ場所で開催され、年々形骸化の道を歩み始めている。端的に言えば、もうフェスはつまらない。 

ところが、皆既日食はその天文学的確立の低さゆえに、とても「コンビニエンス」とは言えない辺鄙な場所で、何万人もが一堂に会し空を見上げ、そこで大きな祭りが開催される。しかも気の利いたショップもなければ全裸の人ばかりという奇抜なフェスなのだそうです。いやぁ、知りませんでした。なんで全裸なんだろう。。

 

もう一つ衝撃的だったのは、イタリア・ボローニャの人々のインタビュー記事で目にしたリビアで差し止められている難民の現状についてです。

難民問題が欧州を中心にだいぶ前から騒がれているのはぼんやりと知っていましたが、自身からだいぶ距離があるせいで、そこまで深く知ろうとしていませんでした。「アウシュビッツ・オン・ザ・ビーチ」という言葉も初めて目にしました。(参考:auschwitz on the beach - Google 検索 )

日本だけでのほほんと暮らしていると、本当にこういう問題に疎くて、きっと28年の人生の中で触れずにきた社会問題は計り知れないだろうと思いました。

それで今まで困ったことはなかったけれど、この先も困らないとは言えないですよね。なんて言ったって、この十数年で世界は実に狭くなりましたから。

世界が狭くなるということは、隣の庭と自分の庭が混ざり合うようになるってこと。火事の起きている対岸と、此岸の間に可燃性の橋がいくつもかかるということです。

 

他にも世界中のいろんな問題について、50mmレンズのカメラで撮られた独特な写真とキレのある文章で書かれており、読みながら"国際感覚"の片鱗を見ることができる優れた雑誌だと思いました。

もちろん、本当の意味での国際感覚は、実際に自分の目で見て、その場の空気を感じて、現地の人と会話をすることによってしか磨かれないと思います。

引きこもりの人こそ一読の価値ありです。おわり。

 

***

 

Kindle版もありますが、一度ぜひ紙の雑誌を手にとって見てほしいと思います。

とにかく大きいです。

『明日クビになっても大丈夫!』

今月末で今の職場を退職することにしました。

それと直接関係あるわけではないんですが、先日Amazonでセールになっててなんとなく読んだのが、人気WEBライター・ヨッピーさんの著書『明日クビになっても大丈夫!』です。(私はクビになったわけではないです。)

明日クビになっても大丈夫!

明日クビになっても大丈夫!

  • 作者:ヨッピー
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: 単行本
 

ヨッピーさんのWEB記事は前から好きで、ヨッピーさんの話を聴いてみたくてGoogleのウェブマスターのセミナーに行ったり、高円寺小杉湯での銭湯オフ会に行ったりしていました。

この本も気になってはいたけれど、売り出してすぐは読んでませんでした。

 

私は、今の仕事(メディアの営業職)は「すごく嫌なわけではないけどずーっと続けるのは無理だな」と入社した頃からぼんやり考えていました。

それでも入社1年目の頃は目新しくて楽しくて、好きな先輩社員とかもいて結構いい感じだと思っていました。

雲行きが怪しくなってきたのは社内の部署編成が改変された2年目からで、新しい直属の上司が苦手だったり自社のコンテンツがつまらなくなったりして、ちょっとずつモチベーションが下がっていきました。

年末にある役員との面談で他部署への異動を打診するも聞き入れられず、それでも1年は待って昨年末あらためて異動を願い出るもやっぱりスルーで。

自分を採用してくれた時の役員もほとんど残っていないし(メディアによくある天下りシステムなので)、1年我慢してもダメなんだからもういいや、と1月に退職届を出しました。

 

引き継ぎの挨拶回りや有休消化をしながら、もう一度自分の考えを自分自身に問いただすようになりました。

私は何が嫌で今の会社を辞めるのか。私はどういうことがしたいのか。

本当の本音を言うと「労働が好きではない」の一言に尽きるのですが、入社したばかりの頃はそこそこ楽しく頑張っていたしなぁ、と、ちょっと悶々としていました。

 

そんな折に本書を読んで、めちゃめちゃ笑ったけど「わかる〜!」と共感したのが、【六本木の会員制バーには行くな】という見出しのくだりでした。

自分の実力や能力ではなく、運良く引っ掛けた輝かしい人脈(もどき)や功績(もどき)を高らかに振りかざしマウンティングする勘違い人間と飲まなければならない、不毛な酒場が”六本木の会員制バー”なのであると力説するヨッピーさんの事例紹介がラジオのハガキ職人並みに面白くて、さらにそのまとめの一文がとても腑に落ちました。

本音と建て前のうち、「建て前」で過ごしているとマジで色々と価値観の軸がズレていくような感覚に陥ってしまう。 

そして「だから、六本木で飲んではいけない。」とこのネタは締めくくられます。

 

これ、すっごく身に覚えありませんか?特に昔ながらの日本企業で働くサラリーマンの方。

私は外資系企業で働いたことはないので外資はよくわからないのですが、日本企業はそこそこ老舗のメーカーや零細企業や今いるマスメディア企業など、複数社で働いた経験があり、

その経験から言うと(昔ながらの)日本企業では建て前で過ごさないとかなり摩擦が起きると思います。

というか「ほぼ建て前でみんな働いてるんじゃないかな?」と思えるレベルです。私が今まで働いてた企業の多くはそうでした。バイト先も含め。

思い返すと、老舗のメーカーが案外一番先鋭的で、私も若くて元気だったので本音をガンガン言っていました。周囲の大人も優しかったのでわりとうまく回っていたかもしれません。

でも次に入った新しい零細企業でそれまでのように本音を言うと「大人なのにどうしてそうホントのこと言っちゃうんだ!」と激しいバッシングを受け、優しい女性先輩社員が”日本企業での建て前処世術”を丁寧に根気強く手ほどきしてくれました。

「変なのー」とは思いつつもそういうのが世の大人なのかととりあえず清濁合わせのみ、彼女の教えは今の職場でも大いに役に立ったのであります。

ちなみに、ここでいう本音とはどういうものかというと

  • 「車って維持費かかるし高いし一人暮らしとかそこそこの都会ならカーシェアとかで事足りますよね」とか
  • 「私は別に結婚したくないし子どもも産みたくないです」とか
  • 「昼寝ばっかりの天下りの役員切ればかなり経費削減できますよね」とか
  • 「社長、貴方が社員のカバン蹴っ飛ばして怒鳴り散らすとかおかしくないですか?それパワハラじゃないですか?」とか

そういうものです。

そこまで変なこと言ってるとは思わないんですけど、こういうこと言うと角が立つんですねぇ。

車いらないとか言うと車メーカーのクライアントが〜とか、子ども産みたくないとか言うと少子化対策に躍起になっている自治体クライアントが〜とか、まあ理由はいろいろあるのかもしれません。

 

前の職場で「お前は車も家もいらないというけど、車を作る会社やハウスメーカーからうちはお金をもらって食べていけてるんだ。だからお前は”車欲しい””家建ててみたい”って嘘でもいいから言わなければいけないんだ」と説教されたことがあります。

そういうもんかなぁとも思いましたが、結局車はやっぱり欲しくないし、家建てたいとも微塵も思わないんですよね。

結婚式場や自治体のクライアントともたくさん仕事しましたが、やっぱり結婚はしたくないし子どもを産む気も起きないです。

 

前述した今の職場の苦手な直属の上司も、話が全然面白くないですがリアクションを薄くすると厄介かもしれない系なので「へぇ〜知らなかったです」とか「すご〜い」とかとりあえず関心している風の相槌を返すようにしていました。

私は褒められたがり人間を察知する能力が結構あり、持ち上げられると喜ぶ人を目の前にするとついつい思ってもいない”褒め相槌”を炸裂してしまう悪い癖があります。

営業職に就いてからこの悪癖が加速してしまった気がします。まあ売り上げにつながるといえばつながるのですが、建て前で稼ぐとなんだか売春したような独特の疲労が訪れるのです。売春したことはないですが、岡崎京子さんが「すべての労働は売春である」と昔何かに書いていた記憶があり、まさにそうだなという感じです。

多分価値観がズレそうになる時のひずみ?みたいなもので疲れるんじゃないですかね。

 

そんなこんなで、「明日クビになっても大丈夫!」とはそこまで力強く思わないですが、共感できる記述が沢山ある良い本でした。

これからの未来は、多かれ少なかれ本音でやってけない仕事は無くなっていくんじゃないかと思うんですよね。AIとかロボットとかに置き換えられて。

だって、生身の人間の一番面白い部分に触れられるのはいつだって”本音”なんですから。おわり。

毎週号泣する:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

年をとったから涙もろくなったのでしょうか。否。

胸に迫る美しい物語なのです、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が。

こんなに毎週泣けるアニメはそうそうないです。

美しく、悲しく、切ない。

この先いったいどうなるのでしょう。続きが気になる反面、毎週物語を噛み締め、言いようのない気持ちになります。

 

あらすじは以下。

とある大陸の、とある時代。大陸を南北に分断した大戦は終結し、世の中は平和へ向かう気運に満ちていた。

戦時中、軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍を離れ大きな港町へ来ていた。

戦場で大切な人から別れ際に告げられた「ある言葉」を胸に抱えたまま――。

街は人々の活気にあふれ、ガス灯が並ぶ街路にはトラムが行き交っている。 ヴァイオレットは、この街で「手紙を代筆する仕事」に出会う。

それは、依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。

彼女は依頼人とまっすぐに向き合い、相手の心の奥底にある素直な気持ちにふれる。

そして、ヴァイオレットは手紙を書くたびに、あの日告げられた言葉の意味に近づいていく。

公式サイトより)

 

主人公・ヴァイオレットにとっての大切な人・ギルベルト少佐。

彼は戦争の最中、亡くなってしまったんです。

でもヴァイオレットは少佐の死に際の「愛してる」という言葉の後の記憶がほとんどなく、少佐はまだ生きていると思っています。

そして、軍事ばかりの日々であまり情緒豊かに育ってこなかったヴァイオレットは、「愛してる」という言葉の意味が正しく理解できずにいました。

心には強く強く残っているのに・・・。

 

アニメを観ていた最初の頃は、ヴァイオレットが”「愛してる」が知りたいのです。”というたびに泣いてしまいました。

孤児だったヴァイオレットに始めて暖かく接してくれた少佐。

一緒に戦って、一緒に生活する中で、互いにかけがえのない存在となったヴァイオレットとギルベルト少佐。

お互いに強く想い合っていたのに、一番大切な人同士だったのに、

戦争という運命にのまれ、もう二度と会うことができない二人。

 

切なすぎます。

私は本当にこの”大切な人にもう二度と会えない”という絶望に弱いのです。

自分がそんな体験したわけでは全くないのに。

ヴァイオレットは育った環境のせいか、少々感受性が表に現れづらい女の子でした。最初はあまりにも人の心の機微がわからないので、障害があるんだと思っていました。

でも、自動手記人形サービスという、人の気持ちを文字に書き起こす代筆業を通して、心というものがどんなものなのかを徐々に感じ取っていくヴァイオレットを観ているうちに、彼女も一人の女の子なのだという当たり前の事実が浮き彫りになるのです。

 

ヴァイオレットが”愛してる”の意味を本当に理解した時、どうなるのだろう、と今からドキドキしています。

そして、少佐にもう会えないと知ったら、どうなってしまうのだろうと。

 

あ〜、想像しただけで胸が苦しくなって涙が込み上げてしまいます。

こういう美しい作品を鑑賞すると、本当に世界に感謝したい気持ちでいっぱいになります。

出会えたことに感謝せずにはいられない傑作です。まだ完結していませんが、もう最初から傑作すぎて・・・。

回想シーンでギルベルト少佐が出てくるたびにまたウルッとなってしまいますよ。愛に溢れているから。嗚呼、本当に、少佐が生きていてくれたらよかったのに。

 

世の中にはいろんな感情がありますが、やっぱり一番心を打つのは愛ですよ。

愛。

尊いアニメ作品です。多くの方に観ていただきたいと思います。おわり。

一発で六弥ナギに恋に落ちます:『アイドリッシュセブン』

アイドルアニメが乱立する昨今ですが、やっぱり2次元アイドルは素晴らしいです。

現在放送中のアニメ『アイドリッシュセブン』の第8話で、主人公の7人アイドルグループ「アイドリッシュセブン」のメンバーの一人、北欧系のハーフ・六弥ナギ君にノックアウトされました。

第8話 プリーズ、ミュージック

第8話 プリーズ、ミュージック

  • 発売日: 2018/02/12
  • メディア: Prime Video
 

私はアイドル系アニメは基本的に楽曲が好きかどうかを第一に考えます。

以前ご紹介した『ツキウタ。』や、『うたの☆プリンスさまっ♪』などなど、作中に出てくる楽曲が音楽として素晴らしいとアニメ視聴を継続します。

 

アイドリッシュセブン』の楽曲も悪くはありませんが、そこまで大好きなわけではないです。

ただし、アイドリッシュセブンはキャラクターデザインが種村有菜大先生であるというのが私にとっては大きくて、なんとなく視聴していました。

種村有菜先生といえば、小学生の時にどハマりした『神風怪盗ジャンヌ』の作者であり、彼女のイラストを自由帳にずっと真似して描いていた私からすれば、もう”神”と言っても差し支えない存在なんです。

なので、そんな神がデザインしたアイドリッシュセブンのマネージャー小鳥遊ちゃんがもうまずめちゃめちゃ可愛くて、アイドリッシュセブンのメンバーもみんな個性的でイケメンなので、曲がそこそこでも楽しくアニメを鑑賞していたのです。

 

しかしストーリーを追ってみると、アイドリッシュセブンというアイドルグループはなかなかデビューまでの道のりが険しいグループなんですね。

アニメ公式サイトのあらすじは以下。

「小鳥遊事務所」に集められた、未来を担うアイドルの卵たち。 お互いに出会ったばかりの7人は、性格も個性もバラバラ。 けれど、それぞれに異なる魅力を持ち、アイドルとしての未知の可能性を秘めていた。 グループを結成し、共に第一歩を踏み出した彼らの名は「IDOLiSH7アイドリッシュセブン。 光り輝くステージで歌い踊る姿は、やがて人々の心を惹きつけていく。 華やかだが、時に厳しいアイドルの世界で 彼らは夢を抱きながら、その頂点を目指す――! 

アニメ『アイドリッシュセブン』公式サイトより)

最初にやったライブがガラガラすぎたり、野外ライブで土砂降りが来たり、メンバーが発作を起こしたり、ライバル事務所からチャチャ入れられたり、次から次へと一難去ってまた一難という感じなのです。

 

アニメ最新話の第8話では、せっかく掴んだ地上波の歌番組の生放送で歌詞が飛ぶミス(しかもその直前にスタジオの度重なる変更とか楽屋荒らしが入って持病持ちのメンバーの医療器具が壊れて発作寸前とかいろいろあった)が発生して台無しになるという展開が訪れます。

 

過去最悪の出来と言っても過言ではないダメダメなステージに一同消沈し、責任を感じて行方をくらましたメンバー・和泉一織くんをみんなで探します。

一織くんが見つかって、みんなで慰め合いつつもいまひとつ暗い雰囲気が拭えない時、冒頭でも触れた北欧系ハーフの金髪メンバー・六弥ナギくんが「オッケ〜イ」と微笑みながら階段を駆け上がって月明かりの下で他のメンバーとマネージャー小鳥遊ちゃんに呼びかけます。

「ワターシ、踊りマス!

皆さんの好きな歌、歌いマース!

何がいいデスカ?」 

一同は一瞬あっけにとられ困惑しますが、ナギ君は優しい微笑みをたたえたまま続けます。

「ワターシ、アイドルでス。

ひとを笑顔にするのが仕事。

ミナサン笑ってほしいデース!」 

そうして得意なターンをしてみんなに微笑みかけるのです。

 

ナギかっこいい〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

と叫んでしまいました。イケメンすぎる。見た目もかっこいいですが、心意気が。

 

苦手なキックウォークでよろけて笑いを誘った後、みんなに呼びかけます。

「一人でも踊れマース。

でも、まだ一人では見栄えしなーい。

ンン〜、誰かお手伝いを・・・oh、ガール!」 

そして小鳥遊ちゃんを呼んで二人でくるくる回り、メンバーたちに「Please,music!」と音楽を要求します。

なかなか立ち直らないメンバーを見ると、ナギは小鳥遊ちゃんからも音楽をねだるよう促します。

「ここにあるミュージックボックスに、コインは要りまセーン。

”聴かせて”と誰かが言えば、何度でも蘇りマス。

月が満ちるように

朝日が昇るように

私たちのハートビート、決して、決して、絶えることはアリマセン! 」

そしてナギの力強い言葉にメンバーたちは笑顔を取り戻し、立ち直って一件落着・・・

また来週以降も波乱のようですが・・・

 

私はこのナギ・オン・ステージに泣きました。

この、困難にぶち当たってもまた立ち上がる前向きな姿勢とひたむきさ。

諦めない情熱に胸を打たれます。

2次元アイドルってこうなんですよ。輝きが凄まじい。無条件に応援したくなるキラキラした少年・青年たち。

ああ〜本当に感動しました。完全にナギ推しになりました。

ちなみに逢坂壮五くんも結構好きです。

 

原作のスマホゲームには手を出していないんですが、そのうち何かに手を出してしまうかも・・・なんて。

とにかくナギのかっこよさに思わず感想を書かずにはいられませんでした。

心を動かすってこういうことなんだなぁ。おわり。

心をチューニングする音楽:RAMMELLS「playground」

営業職について3年、社用車の中ではほぼほぼラジオを聴いているのですが

いろんな放送局をザッピングしてどれもいまひとつな時、自分のiPhoneBluetoothをつないで音楽を流します。

 

先日会社でちょっといろいろあり涙もろくなっていた時

ラジオを流していても心が落ち着かず、iPhoneに切り替えました。

その時すごく気分にフィットしたというか、落ち着いた曲がRAMMELLSの「playground」という曲でした。

playground

playground

  • provided courtesy of iTunes

RAMMELLSは昨年末に多くの地方ラジオ局でデビューアルバム『Authentic』の中の、特に「2way traffic」という曲がパワープレイされていて、なかなか良かったのでアルバムを手に入れました。


RAMMELLS Debut Album「Authentic」トレーラー映像

捨て曲のないいいアルバムだと思いました。

 

そして注目していた矢先、タワーレコードでフリーライブをするという知らせを目にして、池袋のタワーレコードに聴きに行きました。

ヴォーカルの黒田さんのヘソ出しルックに釘付けになりましたが、生で聴いてもやはりいい演奏・いい曲・いい空気感で、すっかりファンになりました。

 

ラジオのオンエア用で推されているリードトラックは先ほども書いた「2way traffic」の他に「CHERRY」という曲もありますが

ライブで聴いてあらためて1番好きだと思ったのが「playground」で、iPhoneにもしばらく入れっぱなしにしています。

 

テンポもゆるくて、でも和音がファ〜っと綺麗に広がる、心地よさと心もとなさが絶妙なバランスでおりなすメロディが本当に素晴らしい名曲だと思います。

 

車の中で聴いているうちに波立っていた気持ちが凪いで、なんとか持ち直した先週末だったのでした。おわり。

今一番オススメしたい漫画:『デビルズライン』

あまりに面白い作品に出会うと、寝食を忘れて没頭してしまいます。

それくらいのめり込む作品に出会いました。 

 1巻から表紙は怖いし、絵もそこまで丁寧ではなかったんですが

ストーリー、キャラクター、世界観すべてがずば抜けて面白く、夢中になりました。

ハードな青年漫画かと思いきや、”りぼん”や”なかよし”も顔負けの胸キュンラブストーリーもあり、「人間とは何か」という根源的な問いまで兼ね備える意欲作です。

 

あらすじは以下。

吸血欲をもった「鬼」と呼ばれる存在が静かに息づく現代日本。人と鬼のハーフであり、警視庁公安五課で鬼の犯罪を取り締まっている安斎結貴は、捜査の最中、大学院生の平つかさと出会う。惹かれあう2人は、やがて鬼の抹殺を企てる組織「CCC」や、それを裏で操る黒幕の陰謀に飲み込まれていく。 

Wikipediaより)

つかさは最初は隙だらけで優しいけど頼りない女の子だったんですが、安斎に本気で恋していろんな苦難を経験するうちに、すごく強い女の子になりました。

つかさは乙女ゲームの主人公になれるくらい、真摯で一生懸命な子ですね。応援したくなる感じの。

安斎も理屈抜きでつかさに惹かれていきますが、彼は自分の中の鬼が暴走してつかさを傷つけてしまうことをとっても恐れているので、なかなか強くなれない。現在10巻まで出ていますが、10巻通してやっと前に進むことができてきたのが安斎、安斎が前に進むために懸命に愛し支えてきたのがつかさ、というふうに捉えています。

安斎とつかさはとにかく相手を思いやっていて愛し合っていて微笑ましいです。健気で可愛いカップル。

他にもいろんな登場人物たちが紆余曲折しながら愛や恋に右往左往する様子が物語として非常に面白く引き込まれます。

 

私が特に好きなキャラクターは李ハンス!安斎と同じヒトと鬼のハーフでありながら、研究所で数々の人体実験にさらされた彼は、血を定期的に一定量摂取することで自分の中の鬼を制御できている稀有な存在です。

外見からかなり奇抜で、デスノートのLとリトルウィッチアカデミアのスーシィを足して2で割ったような変人なんですが、私はとにかくこういうキャラが大好きです!

ここのところ私はずっとスーシィ目指して髪を伸ばしてきたのですが、10巻のハンスのようにウルフヘアにするのもありか・・・?なんて思ったり。

 

また、ラブストーリーや魅力的なキャラクターもさることながら、誰が味方で誰が敵かが二転三転するスリルとサスペンスもこの作品の大きな魅力です。

鬼の抹殺を企てる組織「CCC」、この組織自体、謎が深まるばかりなんですよね。前半CCCのキーパーソンである菊原がかなり怖くて、でもどこかカリスマ性があって惹かれて、まるでPSYCHO-PASS槙島聖護のよう。ところが、物語が進むにつれて菊原の新たな側面が見えてきて、前ほど怖くないというか、むしろ心配になるような不思議な心持がします。

他にも、スパイや二重スパイ、そこに厚生労働省など国の陰謀や恋愛・嫉妬・怒りや悲しみといった人間の感情が複雑に絡み合うダイナミックなストーリー。シビれます!

 

このブログは基本的に容易くネタバレしてしまうのですが、この作品はぜひ真相をその目で見ていただきたいです。というか、ネタバレレベルで掘り下げるといつまでたっても終われない気がするくらい見所が多すぎます。

さらに嬉しいことに、今年の4月からアニメ化するそうです!キャストを見ると、思わず「よくわかってるな」と唸ってしまうほどのピッタリな配役。菊原を槙島聖護と重ねてしまうのは私だけではなかったのですね。CV.櫻井孝宏さま、我が意を得たりです。あー楽しみ!

アニメ放送開始前に、読んでみてほしいオススメ漫画です。おわり。

『サトコとナダ』

私は来月28歳になる、かなりいい年こいた成人女性なのですが

生まれてこのかた日本国の外に出たことがありません。

ここ数年で飛行機嫌いを克服し、北海道や沖縄や奄美大島などには出かけたのですが

所詮は同じ国、大きなカルチャーショックは経験したことがありません。

そんな引きこもりの私に世界の広さを面白おかしく教えてくれる4コマ漫画がありました。 

サトコとナダ(1) (星海社コミックス)

サトコとナダ(1) (星海社コミックス)

 

日本人留学生のサトコと、サウジアラビア人留学生のナダが、アメリカでルームシェアしながら仲良く暮らす模様を描いた4コマ漫画です。

WEBで読むこともできます。

 

イスラム教徒について、日本にいるとついつい過激派のイメージばかり先行してしまうことがありますが

イスラム教がどういう宗教で、イスラム教徒の女性がどういう気持ちで生活しているのかを漫画を通して少しだけ垣間見ることができました。

 

イスラム教徒の女性のイメージといえば、ニカブ・ヒジャブ・チャドル・ブルカと言ったかぶりもので顔や目元以外ほとんどわからない印象ですが、

そもそもこうして肌を見せない根幹には「肌を見せなきゃ男に狙われることなく安心」など、女性保護の意識があるんですね。他にも、映画館のような狭い部屋の中で女性と男性が一緒に過ごすのは良くないとされるというのも似たような原理だそう。

逆に、サトコとナダが暮らす家の中は女性しかいないので、女子の友達も呼んで女子会をするときは皆かぶりものを脱いで思い思いのオシャレをして過ごしており、最初はびっくりしました。

サトコとナダがショッピングする場面で、印象的だったシーンが下記。

「あら かわいいじゃない

セールだし買っちゃいなさいよ」

「かわいすぎて私が着ちゃいけないような気がして」

「ふ〜ん・・・

私は私のために服を買うけどね どうせ知り合いしか見ないから 大好きな服を着るわよ 

サトコって服装自由なのに

私よりよっぽど不自由ね」

サトコみたいにかわいい服に萎縮してしまう日本女性って結構たくさんいるのではないでしょうか。かくいう私もそういう気持ちわかるなーと思っていたので、ナダの慧眼に驚きました。

 

他にも、サトコがナダたちのお祈りの様子を見学していた際、ヒジャブ等をかぶっていないムスリマの人がいることに驚いているシーンも勉強になりました。

ヒジャブをかぶっていないムスリマの人もいるんだね」

「そうね

みんな世界中から来てるものイスラム教徒は世界中にいるしね(中略)

自分と違う格好や暮らし方をしてる人を 蔑視したり仲間はずれにしては いけないのよ 強制もしてはだめ」 

そうなんだ〜って感心してしまいました。視野が世界中に向いていれば、自分と違う格好や暮らし方をしている人ばかりなのが当たり前だから差別意識が生まれにくいのかもしれません。

今でこそ日本にもたくさんの人種・宗教の方が暮らしていますが、それでも職場によってはまだまだ純日本人の似たような階層の人で固まっているので、ちょっと異端なことをするとたちまち悪目立ちして孤立したりしますよね。

 

一番感動したのは1巻の巻末に描かれている、ナダがサトコと出会う前のシーンです。

サウジアラビアから単身アメリカへ留学してきたナダは、ホームシックを紛らわせるためにハディースイスラム教の預言者ムハンマドの言行録)を読み返し、

「豊かさとは富の多さではない。豊かさとは心の満足(知足)によるものである。」という一文に感銘を受けました。

それからナダは一念発起してルームメイトを探し始めます。

「なあにナダ あなた ルームメイトを探してるの?」

「そうよ」

ムスリマコミュで聞けば すぐ見つかるわよ」

「それじゃダメなの!

・・・新しいことに挑戦したいと思ったの

せっかくアメリカに来たんだもの

アラビア語で話すのもほどほどにして

新しい扉を開けなくちゃ・・・」 

それでもなかなかルームメイトは見つからず、諦めかけていたところにサトコから連絡が来て、2人は出会ったのでした。

 

英会話スクールの体験講座でフィリピンの女の子とちょっと話したことがあるのですが、ほんの数時間話しただけでもいろんな驚きや発見があったのを思い出しました。

異国で、自分と違う文化を持つ人と同じ部屋で暮らすなんてことがあれば、それとは比べ物にならないくらいのカルチャーショックがあるのでしょう。

外国に行ってみたくなる作品でした。おすすめです。おわり。