れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

濃い漫画:『亜獣譚』

先日Twitterでトレンド入りしていたpixiv上のWEB漫画『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』が面白くて、どハマりしました。 www.pixiv.net この漫画を"趣味で"描いているという作者の溺英恵氏は、商業漫画家・江野スミ(朱美)先生としても活躍されているそうな。 …

そのスタイルでいこう:『オーラの発表会』

日本の現代文学でギャグ・コメディセンスがピカイチなのが綿矢りさ大先生。 『オーラの発表会』、めちゃめちゃ笑いました。 オーラの発表会 (集英社文芸単行本) 作者:綿矢りさ 集英社 Amazon あらすじは以下。 「人を好きになる気持ちが分からないんです」 …

自尊感情と距離感:『ブランチライン』

このブログで何度か池辺葵さんの漫画について書いていますが、現在連載中の『ブランチライン』もとても印象深い素晴らしい作品だと思います。 ブランチライン コミック 1-3巻セット 作者:池辺葵 祥伝社 Amazon あらすじは以下。 4姉妹と母。女たちが抱く罪…

劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』を観ました

アニメ『輪るピングドラム』が放送されてから10年が経ったそうで、総集編ないしリマスター版とも呼べるような劇場版が公開されました。 penguindrum-movie.jp 総集編的な劇場版アニメは基本的にどんなに好きだった作品でも観ることはないのです。だって初め…

何者かであることと夢と仕事:『Sketchy』

ガールズスケーター漫画『Sketchy』の5巻にうんうん頷きました。 スケッチー(5) (ヤングマガジンコミックス) 作者:マキヒロチ 講談社 Amazon アラサーのレンタルショップ社員・川澄憧子がスケートボードと出会い、それをきっかけに人生が変わっていく様子…

21世紀の仏教徒:『池上彰と考える、仏教って何ですか?』

私のなかの仏教ブームのひとつの到達点ともいえる著作に出会いました。それが『池上彰と考える、仏教って何ですか?』。 池上彰と考える仏教って何ですか?文庫版 作者:池上彰 飛鳥新社 Amazon さすが池上彰氏、仏教のはじまりから日本でどのように発展したか…

ほどよく仏教:『気になる仏教語辞典』

『サピエンス全史』を読んでから、何かと仏教に興味が湧き続けていて、書店や図書館で仏教関連の棚を見ては目についたものを手に取り、時には気になったお寺に赴きお参りしたりする生活を2、3か月続けていました。信仰というよりは、仏教の根源的な考え方(…

生きるのほんとしんどいんですけど:『推し、燃ゆ』

コロナ禍のせいか加齢のせいか、最近本当にすべてが煩わしくて生きているのがつらいなぁと思います。 振り返れば日記を書き始めた10代の頃から、生きているのがつらいとはずっと書き続けている気がします。 20年弱、つらいつらいと言い続けながら生き延びて…

不幸を刻み、染み付かせて:『かか』

ここ数日、いろんなものへの興味が萎んでいく感じがしています。 寒さのせいでしょうか。 アニメを観るのも面倒くさく、音楽を聴いても心が動かなくて、寒くて散歩に出るのも億劫で、自炊する気力もなくて冷凍餃子ばっかり食べたりしてます。 こんな状態にな…

人間っていいのか?:『サピエンス全史』

昨年末に読んで、別次元に面白かった本が『サピエンス全史』。 サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 Amazon 世界的ベストセラーですが、私はモデルの大屋夏南さんのYouTubeで初めて知りました。 ま…

雰囲気映画、雰囲気小説、雰囲気アニメの存在意義

映画『ドライブ・マイ・カー』を観ました。ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [Blu-ray]西島秀俊Amazon 原作は村上春樹『女のいない男たち』に収録されている短編?で、私はこの本を2年前くらいに読んだことがあります。が、そこまで強い印象は残っ…

平家物語とタルムード金言集のあいだで

アニメ『平家物語』を観ました。平家にあらざれば人にあらずAmazon 映像もドラマも非常に美しくてとても感動した反面、良くも悪くも“日本人的価値観”を強く感じて、しみじみ考えてしまいました。ここで私のいう“日本人的価値観”とは、恥の文化や有終の美と呼…

『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』

あけましておめでとうございます(もう15日ですが)。 昨年末から今年にかけて面白い本に立て続けに出逢い、いろんな思いが帰省ラッシュの東名高速道路くらいの大渋滞を起こしています。 少しずつ噛み締めていきたい、そんな正月。 面白い本渋滞のわりと先頭…

私にとっての山本文緒(4):『ばにらさま』

山本文緒作品についてつらつら書いてきましたが、一旦ここで終わります。 山本先生の訃報を聞いてから、最後に出版された短編集『ばにらさま』を買いました。 ばにらさま (文春e-book) 作者:山本 文緒 文藝春秋 Amazon 発売は今年の9月ですが、収録されてい…

私にとっての山本文緒(3):『みんないってしまう』

間が空きましたが前回のつづき。 自分の人生にもっとも影響を与えた本を1冊だけ選ぶとするなら、私は山本文緒『みんないってしまう』を挙げます。 みんないってしまう (角川文庫) 作者:山本 文緒 KADOKAWA Amazon はじめてこの作品を読んだのは高校3年生の終…

私にとっての山本文緒(2):『ブラック・ティー』

前回からの続きです。 中学時代も何冊か山本文緒作品を読んでいて、なかでも好きだったのが『ブラック・ティー』でした。 ブラック・ティー (角川文庫) 作者:山本 文緒 KADOKAWA Amazon こちらは軽犯罪をテーマにした短編集です。 一話目に収録されている表…

私にとっての山本文緒(1):『絶対泣かない』

先月作家の山本文緒さんがお亡くなりになりました。享年58歳。 ネットニュースの記事は10月18日発表のものが多いのに、私が訃報を知ったのはなんと昨日、11月13日でした。 11月13日は山本先生のお誕生日で、たまたまinstagramのタイムラインで目に止まった山…

地べた社会の労働者:『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』

ノンフィクションでこんなに面白い本を読んだのは久しぶりかもしれません。 ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち 作者:ブレイディみかこ 筑摩書房 Amazon 現代英国の労働者階級社会で生きる著者とその家族・友人たち(主にベビー・ブ…

わかってもらえない苦しさ:『王様ランキング』

久々に声出して号泣したアニメ『王様ランキング』。 第一話 裸の王子 Amazon 1話目から、観るの辛いなぁと感じていたんですが、2話で完全に涙腺崩壊しました。 あらすじは以下。 国の豊かさ、抱えている強者どもの数、 そして王様自身がいかに勇者のごとく強…

いつかは向かう場所:『今日はヒョウ柄を着る日』

前の職場は県職員や銀行・新聞社などの天下り先として機能していたので、還暦を過ぎたじいさんがゴロゴロいました。 ケチなじいさんは偉そうに講釈をたれるだけだけど、そこそこ気前がいいじいさんだと、ちょっとしたことでうな重を奢ってくれたりしました。…

病気と健康のはざまで:『シュガーレス・ラヴ』

このブログで既に何度も書いていますが、山本文緒さんの小説が本当に面白くて大好きです。でも全部読んでるわけではないんですよね。 Amazonであらすじを読んで、ああ未読だなと思ったやつを気まぐれにポチりました。そして期待を裏切らず、やっぱりすこぶる…

ダンスミュージックで天下泰平:『パリピ孔明』

最近踏切に飛び込むイメトレとかしてしまう31歳です。 飛び込まないですよ。多分・・・。 コロナのワクチンは2回接種し終えたけど、それとは関係なくずっと体調が悪くて毎月何かしら通院しているし、 仕事は相変わらずクソだし、 体調悪いからお酒もたいして…

視界のひらけかた:『ブルーピリオド』

最近ひたすら読んでた漫画が山口つばさ『ブルーピリオド』。 読めば読むほど自己を内省したり過去を反芻したり、思うことがたくさんある作品でした。 ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:山口つばさ 講談社 Amazon Amazonの無料セールで読…

この人のために:『メイドの岸さん』

どこかの家の住み込みメイドになりたい願望があります。 メイドの岸さん(1) (マガジンポケットコミックス) 作者:柏木香乃 講談社 Amazon Amazonの1巻無料セールを久々に覗いたら、面白い漫画にたくさん出会えました。 その中の一つが『メイドの岸さん』。…

物語に寄り添うかっこよさ:tricot「いない」

『春の呪い』がドラマ化されていまして、ドラマは観ていないんですが、ドラマ主題歌のtricot「いない」がとても良いです。 J-WAVEの土曜朝の番組『RADIO DONUTS』のゲストでヴォーカルの中嶋イッキュウさんが出演していて、その時は寝ぼけた意識できちんと聴…

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』を観ました

韓国で「『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ」と言った女性芸能人が、写真を燃やされたりネット上でバッシングを受けたりSNSが炎上したりしているそう。何それ怖、って感じです。 私は原作小説は読んでませんが、今しがた映画を観ました。 82年生まれ、キ…

死に際に立ち寄りたい場所:『光の箱』

不思議な読後感を味わえる漫画に出会いました。衿沢世衣子『光の箱』。 光の箱 (flowers コミックス) 作者:衿沢世衣子 小学館 Amazon 表紙が可愛くて手に取ったのですが、なかなか味わい深い作品でした。 この世とあの世の狭間の世界に存在するコンビニエン…

岸本佐知子さんの爆笑エッセイ『ひみつのしつもん』

明るい作品をもう一つ。 ひみつのしつもん (単行本) 作者:岸本 佐知子 筑摩書房 Amazon 翻訳家・岸本佐知子さんはエッセイストとしても有名らしいのですが、お恥ずかしながら全然存じ上げませんでした。 表紙がかわいいな〜とたまたま手にとってパラパラ流し…

登場人物全員かわいい『恋と呼ぶには気持ち悪い』

昨日書いたエントリが暗かったので、今日は明るい作品について語りたいです。 恋と呼ぶには気持ち悪い Blu-ray Vol.1 小坂井祐莉絵 Amazon 今期観ているラブコメディアニメ『恋と呼ぶには気持ち悪い』! 初回から笑わせてもらって、すっかり作品のファンにな…

女性の貧困と性犯罪被害、「一人で大丈夫」であること

『美しい彼』で好きになった作家・凪良ゆうさんが2020年本屋大賞を受賞したベストセラー小説『流浪の月』を(今頃)読みました。 流浪の月 作者:凪良 ゆう 東京創元社 Amazon 小学生女児・家内更紗9歳は、最愛の父を病気で亡くし、夫の死を引き金に色に溺れ…