れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

疲れるけど避けられないフェミニズム

先日書店の雑誌コーナーで『Numero TOKYO 2023年3月号』をちらっと読んだんです。 Numero TOKYO(ヌメロトウキョウ) 2023 年 3月号 [雑誌] (デジタル雑誌) 扶桑社 Amazon それで後ろの方に「バービーのモヤモヤ相談室 」という、お笑い芸人のバービーさんの連…

喪失と子育て:『わたし、今日から「おひとりさま」』

あけましておめでとうございます。 ぼやぼやしているうちに新年になってしまいましたが、昨年末に読んで印象深かった漫画について記録しておこうと思います。年末のうちに書いとけという感じですが。 わたし、今日から「おひとりさま」 (フィールコミックス)…

命と尊厳は数値化できない:『ガヨとカルマンテスの日々』

今年も何度か映画館でいろんな映画を観た気がするのですが、ぱっと思い出せるほど記憶に残っていないんですよね。 そんななかかなりインパクトがあって、2日連続で映画館に足を運ぶほど惹きつけられた作品が『ガヨとカルマンテスの日々』でした。 ガヨとカル…

煮詰めた悲劇:『少年のアビス』

寒くなってくると初期のRadioheadを聴いたり自殺志願者の掲示板を見たり、なぜか暗いものに惹かれるんですよね。いや、年中惹かれてますけど。 そんなおり、漫画『少年のアビス』を読みました。暗い、けど、めっちゃ面白いです。 少年のアビス 1 (ヤングジャ…

拘りと幸せ:『自転しながら公転する』

やーっぱり面白かったです、山本文緒『自転しながら公転する』。 自転しながら公転する 作者:山本文緒 新潮社 Amazon 茨城の実家にUターンしてアウトレットモールのアパレル店員として働くワーキングプアーの独身アラサー・都と、飲食店で働く中卒フリーター…

無敵の人予備軍の苦悩と:『正欲』

すこぶる面白かったです、朝井リョウ『正欲』。 正欲 作者:朝井リョウ 新潮社 Amazon 人間ではなく"水"に欲情する特殊性癖をもつアラサーサラリーマン佐々木佳道と、彼の中学の同級生・桐生夏月。 夏月は三十路を過ぎても独身のまま岡山の実家で暮らし続けて…

終活で身辺整理:展示のチケットその4

前回からの続き。 2021年 ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会。 これはちきりんさんのVoicyで気になって仕事帰りに行きました。 ファッション系の展示は何度か行ったことがありますが、平成のギャル文化が展示されてたのは面白かったし懐かし…

終活で身辺整理:展示のチケットその3

前回からの続き。 2018年 ヘレンド展。ヘレンドがなんだったかはよく覚えてないけど、観に行ったことは覚えてます。 こういう豪華絢爛な感じの西洋陶器大好き。 ブリューゲル展。これはそこまで印象に残ってないです。 ちょうどニートしてて暇つぶしに行った…

終活で身辺整理:展示のチケットその2

前回からの続き。 2015年 パスキン展。全然記憶にない。 山口小夜子 未来を着る人。これは覚えてます。 地元の図書館にあった『小夜子の魅力学』が大好きでよく読んでたので、実際にポスターとか観られて良かったです。 小夜子の魅力学 作者:山口 小夜子 文…

終活で身辺整理:展示のチケットその1

先日、夜眠れなくてTwitterをだらだら見ていたら下記の記事を見つけました。 「富士山噴火と巨大地震」リスクが巨大になると人は思考停止に:日経ビジネス電子版 なるほどこれを読むと、2030年から2040年までの間に、南海トラフ巨大地震というとてつもない災…

人の人生を知らないあなたへ:『みんなのうた』

複雑な面白さを持つ漫画に出逢いました。 みんなのうた(1) (コミックDAYSコミックス) 作者:青野春秋 講談社 Amazon 見ていてどことなく不安になる絵柄や、若干引くほど不幸な登場人物たちが織りなす群像劇が不思議な可笑しみをはらんでいて、なかなか…

プレゼント・デイ、プレゼント・タイム:『serial experiments lain』

梅雨のせいか、最近ほとほと疲れていて、死ぬことばかり考えてしまいます。 仕事は全然暇だし、フレックスだから好きな時間に起きて好きな時間に眠れるのに、なんでこんなにしんどいのか。 死にたみがあるのは物心ついたときからですが、近頃は飛び降りが一…

今月一番思考を持っていかれた『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』

先日の亜獣譚エントリにも書きましたが、pixiv漫画『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』がマインドをえぐりまくりでどえらいハマっています。 www.pixiv.net 売れっ子とまではいかないまでも、誠実にいい作品を描いて賞なども獲っていた漫画家・古印葵こと福田矢…

濃い漫画:『亜獣譚』

先日Twitterでトレンド入りしていたpixiv上のWEB漫画『売れっ子漫画家×うつ病漫画家』が面白くて、どハマりしました。 www.pixiv.net この漫画を"趣味で"描いているという作者の溺英恵氏は、商業漫画家・江野スミ(朱美)先生としても活躍されているそうな。 …

そのスタイルでいこう:『オーラの発表会』

日本の現代文学でギャグ・コメディセンスがピカイチなのが綿矢りさ大先生。 『オーラの発表会』、めちゃめちゃ笑いました。 オーラの発表会 (集英社文芸単行本) 作者:綿矢りさ 集英社 Amazon あらすじは以下。 「人を好きになる気持ちが分からないんです」 …

自尊感情と距離感:『ブランチライン』

このブログで何度か池辺葵さんの漫画について書いていますが、現在連載中の『ブランチライン』もとても印象深い素晴らしい作品だと思います。 ブランチライン コミック 1-3巻セット 作者:池辺葵 祥伝社 Amazon あらすじは以下。 4姉妹と母。女たちが抱く罪…

劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』を観ました

アニメ『輪るピングドラム』が放送されてから10年が経ったそうで、総集編ないしリマスター版とも呼べるような劇場版が公開されました。 penguindrum-movie.jp 総集編的な劇場版アニメは基本的にどんなに好きだった作品でも観ることはないのです。だって初め…

何者かであることと夢と仕事:『Sketchy』

ガールズスケーター漫画『Sketchy』の5巻にうんうん頷きました。 スケッチー(5) (ヤングマガジンコミックス) 作者:マキヒロチ 講談社 Amazon アラサーのレンタルショップ社員・川澄憧子がスケートボードと出会い、それをきっかけに人生が変わっていく様子…

21世紀の仏教徒:『池上彰と考える、仏教って何ですか?』

私のなかの仏教ブームのひとつの到達点ともいえる著作に出会いました。それが『池上彰と考える、仏教って何ですか?』。 池上彰と考える仏教って何ですか?文庫版 作者:池上彰 飛鳥新社 Amazon さすが池上彰氏、仏教のはじまりから日本でどのように発展したか…

ほどよく仏教:『気になる仏教語辞典』

『サピエンス全史』を読んでから、何かと仏教に興味が湧き続けていて、書店や図書館で仏教関連の棚を見ては目についたものを手に取り、時には気になったお寺に赴きお参りしたりする生活を2、3か月続けていました。信仰というよりは、仏教の根源的な考え方(…

生きるのほんとしんどいんですけど:『推し、燃ゆ』

コロナ禍のせいか加齢のせいか、最近本当にすべてが煩わしくて生きているのがつらいなぁと思います。 振り返れば日記を書き始めた10代の頃から、生きているのがつらいとはずっと書き続けている気がします。 20年弱、つらいつらいと言い続けながら生き延びて…

不幸を刻み、染み付かせて:『かか』

ここ数日、いろんなものへの興味が萎んでいく感じがしています。 寒さのせいでしょうか。 アニメを観るのも面倒くさく、音楽を聴いても心が動かなくて、寒くて散歩に出るのも億劫で、自炊する気力もなくて冷凍餃子ばっかり食べたりしてます。 こんな状態にな…

人間っていいのか?:『サピエンス全史』

昨年末に読んで、別次元に面白かった本が『サピエンス全史』。 サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 Amazon 世界的ベストセラーですが、私はモデルの大屋夏南さんのYouTubeで初めて知りました。 ま…

雰囲気映画、雰囲気小説、雰囲気アニメの存在意義

映画『ドライブ・マイ・カー』を観ました。ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [Blu-ray]西島秀俊Amazon 原作は村上春樹『女のいない男たち』に収録されている短編?で、私はこの本を2年前くらいに読んだことがあります。が、そこまで強い印象は残っ…

平家物語とタルムード金言集のあいだで

アニメ『平家物語』を観ました。平家にあらざれば人にあらずAmazon 映像もドラマも非常に美しくてとても感動した反面、良くも悪くも“日本人的価値観”を強く感じて、しみじみ考えてしまいました。ここで私のいう“日本人的価値観”とは、恥の文化や有終の美と呼…

『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』

あけましておめでとうございます(もう15日ですが)。 昨年末から今年にかけて面白い本に立て続けに出逢い、いろんな思いが帰省ラッシュの東名高速道路くらいの大渋滞を起こしています。 少しずつ噛み締めていきたい、そんな正月。 面白い本渋滞のわりと先頭…

私にとっての山本文緒(4):『ばにらさま』

山本文緒作品についてつらつら書いてきましたが、一旦ここで終わります。 山本先生の訃報を聞いてから、最後に出版された短編集『ばにらさま』を買いました。 ばにらさま (文春e-book) 作者:山本 文緒 文藝春秋 Amazon 発売は今年の9月ですが、収録されてい…

私にとっての山本文緒(3):『みんないってしまう』

間が空きましたが前回のつづき。 自分の人生にもっとも影響を与えた本を1冊だけ選ぶとするなら、私は山本文緒『みんないってしまう』を挙げます。 みんないってしまう (角川文庫) 作者:山本 文緒 KADOKAWA Amazon はじめてこの作品を読んだのは高校3年生の終…

私にとっての山本文緒(2):『ブラック・ティー』

前回からの続きです。 中学時代も何冊か山本文緒作品を読んでいて、なかでも好きだったのが『ブラック・ティー』でした。 ブラック・ティー (角川文庫) 作者:山本 文緒 KADOKAWA Amazon こちらは軽犯罪をテーマにした短編集です。 一話目に収録されている表…

私にとっての山本文緒(1):『絶対泣かない』

先月作家の山本文緒さんがお亡くなりになりました。享年58歳。 ネットニュースの記事は10月18日発表のものが多いのに、私が訃報を知ったのはなんと昨日、11月13日でした。 11月13日は山本先生のお誕生日で、たまたまinstagramのタイムラインで目に止まった山…