れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

2次元と3次元の間の圧倒的な壁:ツキウタ。

9月まで放送していたアニメ『ツキウタ。THE ANIMATION』をご存知でしょうか。

ツキウタ。』とは、2012年からムービックより発売されているキャラクターCDシリーズです。

メンバーの苗字はそれぞれ暦の月の旧名で、師走〜皐月までが「Six Gravity」、水無月〜霜月までが「Procellarum」というグループで活動しています。なので全員で12名です。

私はこのアニメが始まるまで、ツキウタについてほとんど知りませんでした。

が、

ただいまどハマり中なのです。

 

2次元界でもアイドル戦国時代の昨今、そもそも今期の夏アニメはB-PROJECTという違った男性アイドルアニメもあり、そちらもとても面白かったんですよね。西川貴教が楽曲プロデュースしてたり、絵も綺麗でキャラも良かったのです。

ツキウタもよくあるほのぼのアイドルアニメな感じで、キャラはそれぞれかっこいいしかわいいけれど、よく見ると目元がみんな似ているし、そもそも12人もいて多いしメンバー全員なかなか顔と名前が一致しないし、ストーリーは乙女向けによくあるぶっ飛び系ギャグアニメの様相を呈しており、アニメとしては中の下でした。

ただ、CGを駆使したオープニング映像と楽曲は非常にクオリティが高く、毎週楽しみにしておりました。


Tsukiuta. The Animation: "GRAVITIC-LOVE" - Six Gravity


[Tsukiuta: THE ANIMATION] LOLV-Lots of Love-: Procellarum

めちゃめちゃカッコよくないですか?

そしてこれ、毎週聴いていると思わず口ずさみたくなるのです。

 

毎回かっこいいオープニングと(どうでも)いいエピソードで綴られた『ツキウタ。THE ANIMATION』ですが、最終回、メンバー全員の合同ライブがありまして、そこで用意された新曲「ツキノウタ。」のステージが破壊的なまでにクールでカッコ良かったのです。


Six Gravity&Procellarum/Tsuki no uta

↑これは本当にアニメ本編でぜひ観てほしいです。

アニメ放映時は「かっこいい曲だな〜すごいな〜」というくらいだったのですが、最終回から少し経って「また聴きたいな」となり、いざ映像を見返してみると1回、2回とリピートが止まらず、いつの間にかステージが終わると「くぁぁっこいいよぉぉぉぉうわーん」と唸るほどカッコよく、すっかり夢中になってしまいました。

しかもこの「ツキノウタ。」は歌っている各メンバーの名前が、歌っているパートの歌詞に盛り込まれており、繰り返し見ているうちに、絶対に覚えきれないと思っていた12人の顔と名前、さらには声を当てている声優さんまでバッチリ覚えてしまいました。ツキノウタ恐るべし。

 

ツキウタのステージがとにかくかっこいいのは、楽曲のセンスの良さ、声優さんたちの表現力、そしてキャラクターの美しさとダンスのキレの良さと曲にピッタリな振り付け、そして精巧に計算されたカメラワークのすべてが素晴らしいからです。

現実世界にも可愛い・かっこいいアイドルはたくさんいるかもしれませんが、彼らは親から(天から?)授けられ・持って生まれた体と声を駆使して表現しており、そこには人の力ではどうにもできない不完全性が内包されています。

対して、ツキウタを始めとするアイドルアニメーションは、容姿も声も、キャラクターも演出もすべて人間が一から組み立て創り上げた総合芸術の結晶であり、そこには人々が自分たちの理想や夢を必死に具現化しようとした想像力のすさまじさと迫力が宿っています。

私は3次元のアイドルは男性も女性も興味がわかず、2次元のアイドルだけどうしてこんなに魅力的に感じるのかずっと不思議でしたが、ツキウタの圧倒的にかっこいいステージを観続けるうちに、その理由が少し分かった気がしました。

私はきっと、人の想像力が現実を凌駕するのを見たいんだと思います。

ツキウタを観ていると、人々の現実を変える力がものすごい勢いで世界を塗り替えるような未来を感じることができます。

初音ミクやIAのライブ映像を観たときにも少しそういう感覚を得ました。

 

人間の想像力と、それを具現化しようとする試行錯誤の結果生まれた新たな芸術を、心から愛し、尊敬します。おわり。

ツキウタ。 THE ANIMATION 主題歌 通常盤

ツキウタ。 THE ANIMATION 主題歌 通常盤