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れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

『純情ロマンチカ』

1か月ほど間があいてしまいました。連日猛暑で、すっかり夏まっさかりですね。

夏はどうにも引きこもって漫画を読みたくなります。今ハマっている漫画はこちら。

ボーイズラブ作品は数えるほどしか読んでいなかったのですが、いやあ、面白いです。

いたいけな大学生男子・高橋美咲が、兄の親友で人気作家の宇佐見秋彦とひょんなことから恋人同士になる、歳の差・同性愛ストーリーです。

昔からアニメやドラマCDになっていて、その筋では知らない者はいない超人気作ですね。

今年の夏アニメでちょうど今第3期が放送中で、私は前作もざっくりとしか観ていなかったのですが、あらためて視聴したら面白くて、原作に手を出してみたのです。

アニメでは描写がだいぶ抑えられていますが、原作はもっとエロいです。激しいです。

でも、だからこそより愛を感じるというか、読んでいてつくづく「ああ、愛だなあ」と噛みしめることができます。

 

秋彦は、最初は親友であり美咲の兄でもある孝浩に長年片想いしていました。

好きだけど、大切な親友で、その関係を壊したくないから打ち明けられない、行き場のないつらい恋でした。

そんな中、孝浩の頼みで美咲の家庭教師をすることになる秋彦。

美咲と秋彦は互いに第一印象は最悪だったものの、美咲が秋彦の家に通い続けるうちにだんだん打ち解けます。

そこに孝浩の突然の結婚発表。親友である秋彦に一番に伝えたかったという孝浩に、秋彦の秘めたる思いをよく知る美咲はいたたまれなくなり、秋彦とその場を飛び出します。

兄の無神経さと秋彦の失恋に泣きじゃくる美咲を見て、秋彦は美咲に強く惹かれていきます。

そして美咲の大学進学と同時に孝浩の大阪転勤が決まり、兄以外に身寄りのない美咲は秋彦の好意で宇佐見家に居候することに。

一つ屋根の下で、秋彦は美咲をあの手この手で自分のものにしようとします。

 

この漫画の一番の魅力は、秋彦の美咲への「好き」という思いの強さだと感じました。

しょっちゅう好き好き言うし、すぐにキスするし手を出すし、やりたい放題な秋彦ですが、実は非常に感受性が強くて脆くて神経質なんですね。だから作家という職業なんだろうとも思います。

美咲が大好きでずっと手元に置いておきたいけど、美咲が嫌がることは決してしたくない。まだ若く可能性に満ちた美咲の将来を邪魔したくない。美咲を束縛したい(実際しているけど)気持ちと、きちんと信頼して美咲自身に選ばせたい気持ちがいつもせめぎ合っていて、何かのきっかけですぐに情緒不安定になってしまう秋彦を見ていると、物凄く愛おしい人だなと感じます。

一方の美咲も、最初はゲイであるということに抵抗がありますが(今も)、秋彦の真摯な思いを浴び続け、また一緒に暮らす中で秋彦のいろんな弱さや脆さに触れて、いつしか心から秋彦を大切に思うようになります。

人気作家で名家の子息でもある秋彦には、社会的な立場や複雑な家庭事情もあり、美咲は自分の存在が秋彦に迷惑をかけることをとても恐れていて、そこも少しのアクシデントですぐにほころびが出てしまう。

こうして美咲と秋彦それぞれに抱える不安や問題があり、それを繰り返し修復しながら愛情を深めあう二人を見ていると、敵わないというか、これが人を好きになるってことかなと思うんです。

 

もしこれがボーイズラブじゃなくて、普通の異性愛の話だったら、そんなに感銘をうけないんですよね。

今回あらためてこの作品を読み込んで、世の乙女たちがどうしてこれほどまでにBLにハマるのか、少しわかったような気がしました。

たとえ相手が同性でも、それでも抑えられないほど強い「好き」という気持ちって、多分周囲に何を言われても、世界中に反対されたとしても曲げられないくらいの情念なのでしょう。心の底から「この人と一緒にいたい」という思いなのでしょう。

周りが皆結婚しているから婚活するとか、周りが皆彼女居るから自分もほしいとか、なんとなく老後に一人だと淋しいから伴侶がほしいとか、そんないいかげんな考えとはかけ離れた強い思いなんですよね。

世の中の人が皆一人で生きていたとしても、自分はこの人と一緒じゃなきゃ嫌だってくらいの強烈な気持ちなんでしょう。

 

私はいままで異性しか好きになったことはありませんが、たとえばその人がもし自分と同じ性別でも好きになったかと問われれば、おそらくノーだと思います。

憧れたりはしたかもしれないけど、きっと恋愛感情はもたなかったでしょう。

所詮遺伝子の陰謀なんですかね?

秋彦や美咲くらい、誰かを強烈に好きになって、誰かに猛烈に好かれてみたい、少しそんな気分にしてくれる作品です。

秋彦が美咲を抱くときの、愛おしそうな何とも切ない表情がたまりませんよ。おすすめです。おわり。

 

 

アニメはギャグとして面白いです。