れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

自分を受け入れて、ゆるく:『ルームロンダリング』

なんの気なしに映画館で観た映画が好きな雰囲気のものでほっこりする休日。

roomlaundering.com

オダギリジョーに釣られて観たんですが、音楽やテンポもよくてなかなか楽しめました。

 

あらすじは以下。

5歳で父親と死別した八雲御子。翌年には母親も失踪してしまい、祖母に引き取られた御子だが、18歳になると祖母も亡くなり、天涯孤独となってしまった。しかし、祖母の葬式に母親の弟である雷土悟郎が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれた。その仕事とは、ワケあり物件に住み込んで事故の履歴を帳消しにし、次の住人を迎えるまでにクリーンな空き部屋へと浄化すること=“ルームロンダリング”。引っ込み思案で人づき合いが苦手な御子にとって都合の良い仕事だったはずが、行く先々で待ち受けていたのは、幽霊となって部屋に居座る、この世に未練たらたらな元住人たち。ミュージシャンになる夢を諦めきれないパンクロッカーや見ず知らずの男に命を奪われ恨み節が止まらないOL、カニの扮装をした小学生!?なぜか彼らの姿が見えてしまう御子は、そのお悩み相談に振り回されて…!?

 

公式サイトより)

他殺のOL幽霊が登場するところはちょっとホラーで怖かったけれど面白かったです。

 

映画はストーリーがいいのも好きですが、景色や音楽や小物の一つ一つのテイストがいいだけでもとても満足できるんですよね。

この作品に関しては、ヒューマンドラマとして物語も悪くはないですが、それよりも主人公・御子やその叔父の悟郎の洋服とか、御子が引っ越す時に出てくる水色の軽トラックとか、悟郎たちが度々食事をする中華料理屋とか、そういうディテールが紡ぎ出す作品全体の印象がとてもよくて、わたしはそこにとても救われました。

なんと表現すればいいか・・・独特のゆるさのようなもの?ですかね。そういうのが自分にとってすごく大事なんです。きっちりしてない感じというか、猥雑だけど不潔ではないというか、そういう絶妙なバランスを持った緩さです。

 

特にここのところきっちりして息の詰まる職場にいることが多いので、緩さに飢えてるんだと思います。

御子みたいに髪の毛おろして化粧もせず他人と話さず目を合わせないコミュ障とか、悟郎みたいにビールばっかり飲んでチンピラみたいな仕事してるダメ〜な大人みたいな、人の弱さをわかってる人間というのが周囲にいないんですよね。みんなバッチリ化粧して髪の毛もきっちり夜会巻きとかにしてポジティブモンスターみたいなキラキラ女子(白目)ばっかりに囲まれてると、生来ボンクラダメ人間の自分の精神にどうしても無理が生じてきてしまう。

そこで「何くそ」と踏ん張りながらも、こういう赦しを与えてくれるような作品に触れてガス抜きも必要なのです。難儀ですね。。

 

さらに良かったのが音楽です。アニメでない映画でここまで「おおっ」と思ったサントラって、意外とないかもしれません。 

映画「ルームロンダリング」 オリジナル・サウンドトラック

映画「ルームロンダリング」 オリジナル・サウンドトラック

 

音楽もやはり緩めで、でも切ない和音が確かにいい塩梅で、物語全体にいい奥行きをつくっていると感じました。

 

本当に偶然こうして自分の琴線に触れる作品に巡り会えるととても嬉しいですね。おわり。


池田エライザ主演『ルームロンダリング』予告編