れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

綿矢 の検索結果:

同性を愛することと自身を慈しむこと:『生のみ生のままで』

…ですが、 先日読んだ綿矢りさ『生のみ生のままで』は予想外の角度からこのテーマに一石投じる良作でした。 【上下合本版】生のみ生のままで (集英社文芸単行本) 作者:綿矢りさ 発売日: 2019/06/26 メディア: Kindle版 綿矢りさといえば私の世代にとってはもはやレジェンド作家であり、このブログでも度々感想を書いていますが、この作品もやはりとても面白くてなおかつ心に残る物語でした。 物語序盤、主人公の南里逢衣と荘田彩夏は同い年で二十代半ば、夏休みにそれぞれの彼氏に連れ…

人生を生き延びるということ:『憤死』

…ような物語の短編集が綿矢りさ『憤死』です。 憤死 作者: 綿矢りさ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2013/03/08 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (22件) を見る この表紙、めちゃめちゃインパクトあって好きです。 綿矢さん自身の幼少期のお話「おとな」から始まり、少年時代の不思議なおじいさんとその後の同級生とのホラーな展開がちょっと怖い「トイレの懺悔室」、好きじゃないけれどなんとなくつるんでいた気性の激しい女友達と…

共感につぐ共感:『私をくいとめて』

…。そんな作品の一つ、綿矢りさ『私をくいとめて』は、面白おかしくも、それだけでは帰してくれない、ちょっと意地悪な小説でした。 私をくいとめて 作者: 綿矢りさ 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/01/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 三十路を過ぎてなお独身、恋愛沙汰も随分ご無沙汰だが仕事はそこそこ頑張っているOL・黒田みつ子を主人公に、みつ子の仕事上の取引相手でご近所の青年・多田くんや、みつ子の先輩でちょっと変わった独身OL・…

『手のひらの京』

綿矢りささんの作品の面白さがうなぎのぼりです。 手のひらの京 (新潮文庫) 作者:りさ, 綿矢 発売日: 2019/03/28 メディア: 文庫 京都に暮らす三姉妹とその家族の物語。 三十路を過ぎてにわかに出産のタイムリミットに焦りつつもどうすればいいかわからない長女・綾香、したたかで派手だけど根っこは臆病な次女・羽依、成績優秀で努力家な三女の末娘・凛が、それぞれのライフステージの壁と”京都”という柔らかく閉ざされた特殊な地方都市の風土と戦い・寄り添いながら生活しています。三…