大事なことなので最初に書きますが、このブログは全ての記事がネタバレだらけです。
私自身がネタバレを全然気にしない性質なので。
でも、この映画はできれば前情報無しで観た方がいいなと思いました。
それが『シン・エヴァンゲリオン劇場版』です。
一昨日の夕方、仕事を早めに切り上げて劇場へ走りました。
今も読後感というか、じんわり感情の波が広がりつづけている感じです。
10代の頃テレビシリーズと劇場版を一気見して精神をやられて、
20代で新劇場版を追いつづけて、
31歳になった今年ついに完結。
長い間話を追っていた作品が完結すると、待っていたはずなのに物寂しくなりますね。嬉しいと悲しいが混ざる。
エヴァンゲリオンって、全体を通して話が簡単じゃないと思います。
子どもの頃は自分が子どもだから理解しきれないのかと思ってたけど、大人になっても明快に理解できてる感じはしないです。だから他人にもうまく説明できない。
そういう意味で”雰囲気アニメ”とか言われてしまうこともあるかもしれませんが、その雰囲気・空気感が圧倒的に群を抜いて秀逸だと思います。
テレビシリーズは(主にアスカのくだりが)精神的に追い込まれる感じで、本当に辛くてちょっとしたトラウマでしたが、
新劇場版シリーズは最後まで観ると、救われたような心持ちになりました。
終盤の、マイナス宇宙でミサトさんやゲンドウやアスカやカヲルくんやレイが、それぞれ本当のこと・本当の気持ちを語って解放されていくところ、本当に良かったなぁ。
魂の浄化ってこういうことなのかな〜とか思いました。
私も消えてなくなるときはあんな感じの穏やかな気持ちになりたいです。
解放が一種の浄化なら、拘束や束縛は汚染なのかな。対義語辞典的に・・・
そしてラストシーンからエンディングの流れもほんっっっっとうに素晴らしかったです。
始まりから怒涛の展開続きで、全ての登場人物のエピソードが濃いんですが、それを踏まえた上でとても軽やかなラストでした。
エヴァのない世界、大人になったシンジとマリ、田舎の懐かしい景色。
でももちろん忘れたわけじゃない、むしろ”忘れられない”です。
シンジにとって忘れられないであろう人、忘れられないに違いないことの記憶が、エンドロールでぐわーっと思い出されて、エンディングテーマがこれ以外あり得ないくらいガシッとハマりました。
今もずっとこの曲聴いてます。
ジャケットもいい・・・
「忘れられない」って、苦しいこともあるけど
「忘れたくない」と思える誰かがいたり、思い出があったりするのって、やっぱり救いだと思いました。
私は基本的にいつも過去に生きてる人間なので、忘れたくない過去と忘れたい過去をぐるぐる思い出したり煮詰めたりして自家中毒を起こしてしまうタイプです。が、
それでも
忘れたくないことがあってよかった。素直にそう思いました。
ま、年とって全部忘れて死んじゃうかもしれないですけど。
「忘れたくない」「忘れられない」と思って、いろんなものを遺す人間の願いや祈りのようなものを尊く感じます。
そういう気持ちになる映画でした。おわり。