2017年の春アニメが終焉を迎えていますが
『月がきれい』、美しかったです。
また、思わず「川越の観光協会の差し金か?」と疑うほど、舞台となった川越市が魅力的に描かれていました。川越行きたくなっちゃいますね。
中学3年生の茜と小太郎の初恋物語で、現代日本の地方都市の思春期をとても巧みに表現した作品でした。
川越ではないですが、私も関東地方の片田舎で青春を過ごしたので、なんだか非常に懐かしい気持ちで毎週観ていました。
初めての片思い、両想い、手をつなぐやらキスするやらでいちいち照れる茜たちがとにかく可愛らしくて、何度も「かわいいぃ〜〜〜」と唸ってしまいました。
そして、陸上部でもある茜の最後の大会のシーンなど、泣ける場面も多々ありました。家族愛、友情も繊細に描かれています。
私も27歳にもなると、中学生ばかりに感情移入せず、親の方にも気持ちが入ってしまったりします。私は子供産まないんですが。
陸上競技を頑張り続ける娘の中学最後の大会に、メッセージ入りお弁当でねぎらう茜の母はかなり粋な女性でした。
さらにこの作品で特徴的なのが挿入歌です。
東山奈央さんがオープニングもエンディングも歌っていますが、挿入歌も毎回東山さんのお声が入るんですね。
しかも挿入歌はカヴァー曲で、毎回毎回我々80〜90年代生まれにドンピシャな選曲なんですよね。思わず笑ってしまうほどに。
少し場面に合いすぎて興ざめ感もあったりしましたが、東山さんの麗しい歌声でそれでも受け入れられるという。これは新しい試みでした。
今でも劇場版アニメの最高峰だと思っている『同級生』もそうですが、学生時代とはかくも美しいものなのですね。
しかも、時が経てば経つほど、その尊さが幾重にも折り重なり、二度と戻れないその時の美しさが際立つのです。
そういう思春期の心の機微を精緻に描いたアニメ作品というのは、展開が筋書きが読めてもついつい観てしまうのでした。おわり。