以前感想を書いた『逃げるは恥だが役に立つ』が第39回講談社漫画賞を受賞したと、最新刊である6巻のあとがきを読んで知りました。
海野先生、おめでとうございます!
『逃げ恥』はもちろん、海野先生の作品は他にもいくつか読んでいて、どれも心に残るしストーリーも絵も独特。読んだ後いつも「す、すごい・・・」と感服してしまう面白さで、癖になる作家さんです。
作品以外は先生について特に存じ上げないのですが、今回出た逃げ恥の6巻のあとがきを読む限り、おそらく40代の独身女性なのでしょうか。
才能のある人というのはデビューして早目に注目される人が多いですが、私は18でデビューして特に大きなヒット作もなく、長い連載もさせてもらえず、隙間をぬって続けてきたような感じです。
海野先生は十分すぎるほど才能に溢れていると感じますが、作品に時代が追いついていなかったのかもとは思いますね。
海野先生の作品って、どれも物事を多面的に捉えるというか、常識を疑うというか、そういう視点が多いと思うので、今になってようやく面白さが理解されるようになったのかもしれません。
そして思わず考えさせられたのが以下の記述。
自分が楽しいなあ、面白いなあと思うことをこつこつ続けて26年。このタイミングで賞をいただいて、なんだか、頑張ったね!と言われたような気持ちです。
26年漫画を描き続けて今もまだ描きたいことがあるとは・・・本当に漫画を描くことが好きなんだなぁ、と今更ながら驚きました。
26年って、私の生まれてから今までの人生より長いですよ。
私は25年間、あれやってこれやって、あれも違うこれも違うといまだにフラフラしているわけですが、私だって「自分が楽しいなあ、面白いなあと思うこと」をこつこつ続けて生きたいです。
そこであらためて、私の"楽しい・面白い"と思うことって何かな?と考えてみました。
電車旅、写真を撮ること、アニメを観ること、歌うこと、ピアノを弾くこと、音楽を聴くこと、本や漫画を読むこと、料理、絵を描くこと、数学を教えること、文章を書くこと、ホームページをつくること、食べること・・・。
アニメを観ることや音楽を聴くこと、本や漫画を読むことと食べることは消費行動なので、それを除いたものの中で「これで食べていく!」と定まるようなものがあればいいのですが、なかなか定まりません。
また、もしかしたらこれら以外にピッタリなものがどこかにあるのかもしれません。
まあむしろ消費するだけ消費してだらだらできたらそれこそ天国なのに、と思う気持ちもあります。ニート最高、みたいな気持ちが。
でも、このブログを始めたのもちょうどニートをしていた頃で、結局何もアウトプットしない人生なんてないんですよね。きっと。
何もやらずにすむ環境であっても、人間ってたぶん何かせずにはいられないんでしょう。
ぼんやり好きな本を読んでるだけでも、何か書きたくなったりするし、ふらっと散歩してるだけでも、ふと出逢った美しい景色を写真に撮って誰かに見せたくなる。人間ってそういうものなんだろうなって思います。
・・・ただ、書くことや撮ることにそこまで没頭できるかというと、正直微妙ではあるんですよね。
一番集中できるし没頭できるのは、なんだかんだで音楽系だとも感じます。
吹奏楽や合唱をやっていたときの、あの無我の境地。
数学やってるときも同じでしたが、今更数学を究める気力はありませんし。
こうして"好きなことをして生きてくこと"について考えていると、いつも袋小路に入ってしまいます。
はぁ。
こんなときは、お風呂に入って面白い漫画を読みながら寝るとか、美味しいものを食べながら面白いアニメを観るとかして、自分のご機嫌をとるのが一番ですが・・・なんだか少し悲しい秋の夜長であります。おわり。