現在放送中のアニメ『ひそねとまそたん』第9話に感激して涙が出てきちゃいました。
独特の絵とエンディングテーマのフランス語の歌が印象的でなんとなく視聴していたのですが、こんなに心揺さぶられるとは夢にも思っていませんでした。
あらすじは以下。
「私は、君とソラを飛ぶ。」 甘粕ひそねは、航空自衛隊の岐阜基地に勤務を始めた新人だ。
素直すぎて無意識で他人を傷つけるのに疲れ、任期限定の自衛官を選んだのだ。
だが、運命の出逢いが彼女の人生を根底から変える。
基地に秘匿された戦闘機に擬態するドラゴンがひそねを選び、大空高く舞いあがったのだ。
こうして「OTF(変態飛翔生体)」であるドラゴンに乗りこむ飛行要員が、
ひそねの仕事になった。
国家的な命運を左右するとも言われるドラゴンには、
はたしてどんな秘密が隠されているのだろうか……。
(公式サイトより)
多分あらすじを読んでもなかなか想像しづらい世界観かもしれませんが、観始めると確かに1話から心惹かれる何かがあります。
主人公の甘粕ひそねが、最初ぜんっぜん空気を読まない気遣いゼロ・色気もゼロの女の子だったんです。とにかく日本社会での人付き合いは不得手なコミュ障女子、それがひそねでした。
でも、ひょんなことからドラゴン”まそたん”のパイロットとして彼女にしかできない仕事を見つけ、またともに試練に立ち向かう仲間も得て、ひそねはストーリーが回を追うごとに確実に成長し、変わり始めていました。
まそたんをはじめとするドラゴンに乗ることができる通称「Dパイ」にはタブーがあって、それは恋愛感情なんですね。
Dパイは恋をするとドラゴンに乗れなくなってしまうんです。
ひそねは今まで異性はおろか同性の友人さえいなかったので、自分がいつの間にか同僚の小此木に恋してしまっていることに全然気づいていませんでした。
でも、視聴者である私は9話の最初から「ひそねが恋してる〜〜〜!!!!!!」って心が浮き足立って感激しちゃいました。
最初あんなに人とうまくやれなくて無神経に本音をズケズケ吐いて周りを怒らせてばかりいたひそねが、小此木に話しかけられて嬉しそうにしたり、突然やってきた小此木の幼馴染の女子高生・奈緒の存在に焦ったりしているのを見るたびにものすごく嬉しくなりました。
挙げ句の果てには、小此木を好きな名緒に指摘されて初めて自分の恋心という初めての感情に気づき、走り出しながら叫んでその場を逃げだすひそね。ああ、なんて愚かで愛おしいんだろうって、だんだんしみじみしてきました。
9話の最後、訓練のためまそたんに乗ったひそねは、スーツが溶けるほどドラゴンの胃液まみれになって吐き出されてしまいます。
いつものようにまそたんがうまく反応してくれない事態に驚いたひそね。
そして上司にズバリ言い当てられた、自分が恋をしているという事実に唖然とするところでエンディングに流れました。
次回予告も終わって一息ついたところで、無性に感動して涙が出てきました。
なんでひそねが恋しちゃったことがこんなに嬉しいんだろうって、すごく不思議な気持ちになって、記録に残しておきたくてこのエントリを書きました。
ひそねたちDパイは恋をしちゃいけないんです。恋愛感情を持つとドラゴンに乗れなくなってしまう、仕事に支障が出てしまう。
ひそねにとって、ドラゴンであるまそたんはかけがえのない相棒であり、自分に価値を見出せた最初のきっかけであり、自分の価値や意義を担保してくれる存在でもあります。
そんな大事な相棒に、知らず知らずのうちにちょっと仲良くなれた異性の同僚に恋してしまったせいで乗れなくなってしまったひそね。彼女のことが、かわいそうだけど、どうしようもなく可愛くて可愛くて愛しかったんです。
ああ、あんなに周囲を無神経な言葉で怒らせて落ち込んでばかりいたひそねが、恋をして、恋に悩むようになったんだーって、よかったーって、強く強く思いました。
恋っていざしてみると楽しさよりも苦しさや辛さが多いのに、なんだかんだ言って非常に尊いものなのだなぁと感じました。
まそたんに乗れなくなってしまったことは可哀想だけれど、恋をしたってことは、ひそねの人生においてとても大きい意味を持つ出来事になると思います。
恋って、心が成長しているからできることなんですね。
独占欲とか嫉妬とか、自己嫌悪もいっぱいするし、決して綺麗ではないのが恋愛感情というものですが、
私はやっぱり恋心というのはどうしようもなく切なく甘い宝石みたいだと思います。
あー私も恋したいです。もう何年もしていないなぁ。
ひそねを心から応援します。おわり。