れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

お金を稼ぐのが大変な人とそうでない人:『ヒナまつり』

昨日から新しい職場での仕事が始まりました。

2日目にしてすでにクタクタ。日本のサービス業の労働時間の長さに驚いていると同時に体力・気力ともに底を尽きています。。

「働いてお金を稼ぐのってこんなに大変だったっけ?」とくたびれている最中、現在放送中のアニメ『ヒナまつり』が労働について示唆に富んでいたので、すごくタイムリーな作品に感じられました。

超能力者の少女・ヒナがひょんなきっかけで地球に降り立ち、そこで出会ったヤクザの新田と楽しく暮らしていくコメディです。

ヒナを追って地球にやってきたもう一人の超能力者の少女・アンズの話を観てから、お金を稼ぐことと与えられた環境の相関関係や因果関係について考えるようになりました。

 

ヒナはもともと無気力で欲望に忠実なタイプです。

そんなヒナはタワーマンションに暮らすヤクザの新田に拾われたので、基本的にお小遣いもふんだんにもらっているし、いい家に暮らしてゲームもし放題でテレビも見放題で、美味しいイクラ丼も食べられます。新田の作るご飯も美味しいのです。

たまたまリッチな人間に出会ってうまく順応できたから、そこまで努力しなくても楽で贅沢な暮らしができているのがヒナです。

 

一方アンズは、ヒナに無事会えた後に元いた世界に戻ろうとしたら移動手段が壊れてしまい、食べるために盗みを繰り返しては追われ、途方に暮れていたところでホームレスのおじさんに出会います。

そこで初めてお金を払ってものを買うのだと教わり、そのお金を稼ぐための手段として空き缶を拾ってリサイクル業者で換金するという方法を教授されます。そしてホームレスの集落に連れて行かれてそこで受け入れてもらい、それからというものの、公園に建ててもらった電気もガスもない掘っ建て小屋で寝起きし、来る日も来る日も空き缶を広いお金に替え、カップラーメンで飢えをしのぐ生活を送ります。

 

アンズはヒナと同じ超能力者なのだから、本当はその力をうまく使って新田のようなヤクザに気に入られたり、他にもいろんな稼ぐ方法があるはずなんです。本当は。

でもアンズは、生来の素直で真面目な性格と、たまたま出会ったのがホームレスのおじさんであったことから、ヒナとは全く違う険しい道を歩むんです。

 

この、偶然の出会いから枝分かれする生活レベルの差にびっくりしました。ヒナとアンズは性格も正反対なので、必ずしも最初の出会いだけが原因だとは思いませんが、それにしてもここまで環境によって生活水準に差が出るとは。。

毎日健気に空き缶を拾ったり、ホームレス集落の仲間たちを心から慕い思いやるアンズはとても可愛いと思いますが、同時にどうしようもないほど不憫だし、ちょっといたたまれない気持ちで見てしまう自分がいました。

素直で真面目であることって、必ずしもいいことではないような気がしてしまうのです。アンズはたまたまその後集落の解体に伴い、人のいい中華料理屋の夫婦に引き取られ、ホームレスよりはマシな暮らしができるようになるのですが、もう最初の体験で体に刷り込まれてしまっているのですよ。苦労しないとお金は手に入らないということが。

本当は中学校に通ったっていいくらいアンズはまだ子供なのに、空き缶ひろいという労働で稼いでカップラーメンをすする毎日を送るうちに、”食べるためには労働してお金を稼がなければならない”というポリシーが骨の髄まで染み込んでしまっているので、引き取られた中華料理屋でも「働かせてくれ」と懇願するのです。

同じ年頃のヒナは中学校で授業中は居眠りして給食の量に文句を言いクラスメイトたちとそれなりに楽しい日々を送っているのに・・・。

 

***

 

アンズの健気さに胸を打たれ感動するものの、「アンズのようにはなりたくない」と思ってしまう自分から目を反らせません。

私の新しい職場は、バッチリ化粧して髪の毛も夜会巻きなどのきっちりヘアスタイルで武装した女性ばかりの美容サービス業で、そこで働く先輩や同僚の皆さんは、残業がデフォルトのシフトで毎日12時間以上はお店にいて、売上についても皆自分ごととして考えています。

誰かが新しい契約を取ったり化粧品を売ったりすると褒め合い喜び合う様子は、前の職場の営業部よりも営業部らしいなと思いました。(前の職場が甘すぎたのはありますが)

 

同僚の一人が「私たちのお給料はお客様からいただいたお金だから」というようなことを言っていて、確かに回り回ってその通りだと理解はしてみるものの、私はどうもその感覚が薄いのです。会社員をしていると、会社からお金を貰ってる気がしてしまう。

さらには、もらっているお給料云々の前に、1日の労働時間の長さとか(定時が10時間半拘束の9時間半労働ってなに)職場の女性たちがちょっと怖い感じで胃がすくむとか硬いサンダルで歩いたり立ちっぱなしで体力が持たないとか、そういう自分の不平不満ばっかり膨らんでしまって、周囲への感謝が二の次になってしまいます。

空き缶拾いでカップラーメン生活なんて、私は耐えられないと思います。

それどころか、アンズのようにどんな環境でも周りに感謝する心意気もないので、きっと孤独にさっさとのたれ死んでしまうかもしれません。

私みたいななんにも我慢できない人間は、ヒナみたいな幸運をただ願って待つしかできないのでしょうか。

 

もしかしたら職場の女性たちは、仕事に本当にやりがいを感じていて、心から夢中になっていて長時間労働も気にならず店舗の売上と顧客満足を追求しているのかもしれません。

私も社会人になったばかりの頃から、仕事が楽しくてしょうがなくて夢中になれてなおかつ稼げたら素敵だってずっと思ってます。

けど、どこで働いてもそうならないんです。どんな仕事も、新しいことを覚えるのは楽しいし、新しい人に出会えば中にはちょっと面白い人もいるし、どんな失敗も経験値は上がります。何かしらいいことはあるんです。

 

でも、やっぱり心の底で「働きたくなーい」という気持ちが横たわっていて、会社の指針に沿って中学の部活動みたいな独特の空気の中でしこしこ働く人々をみると、何かに洗脳されてるように見えて仕方ない気持ちになってしまいます。

「そんな、祝日も働いて、ただでさえ少ない休日も出勤して、夏休みもなくて、なんとも思わないの?」って、不思議でしょうがないんです。

他にも、「ここ変じゃない?」という、おかしな部分ばかりに次々と目がいってしまいます。

 

・・・こうやって書いていると、つくづく私は会社員に向いていないと思います。

それでも気がつくと会社員になってしまう私は、思考停止しているのでしょうか。

あー、なんかもういっそ超能力者になりたいなぁ。おわり。