年をとったから涙もろくなったのでしょうか。否。
胸に迫る美しい物語なのです、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が。
こんなに毎週泣けるアニメはそうそうないです。
美しく、悲しく、切ない。
この先いったいどうなるのでしょう。続きが気になる反面、毎週物語を噛み締め、言いようのない気持ちになります。
あらすじは以下。
とある大陸の、とある時代。大陸を南北に分断した大戦は終結し、世の中は平和へ向かう気運に満ちていた。
戦時中、軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍を離れ大きな港町へ来ていた。
戦場で大切な人から別れ際に告げられた「ある言葉」を胸に抱えたまま――。
街は人々の活気にあふれ、ガス灯が並ぶ街路にはトラムが行き交っている。 ヴァイオレットは、この街で「手紙を代筆する仕事」に出会う。
それは、依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。
彼女は依頼人とまっすぐに向き合い、相手の心の奥底にある素直な気持ちにふれる。
そして、ヴァイオレットは手紙を書くたびに、あの日告げられた言葉の意味に近づいていく。
(公式サイトより)
主人公・ヴァイオレットにとっての大切な人・ギルベルト少佐。
彼は戦争の最中、亡くなってしまったんです。
でもヴァイオレットは少佐の死に際の「愛してる」という言葉の後の記憶がほとんどなく、少佐はまだ生きていると思っています。
そして、軍事ばかりの日々であまり情緒豊かに育ってこなかったヴァイオレットは、「愛してる」という言葉の意味が正しく理解できずにいました。
心には強く強く残っているのに・・・。
アニメを観ていた最初の頃は、ヴァイオレットが”「愛してる」が知りたいのです。”というたびに泣いてしまいました。
孤児だったヴァイオレットに始めて暖かく接してくれた少佐。
一緒に戦って、一緒に生活する中で、互いにかけがえのない存在となったヴァイオレットとギルベルト少佐。
お互いに強く想い合っていたのに、一番大切な人同士だったのに、
戦争という運命にのまれ、もう二度と会うことができない二人。
切なすぎます。
私は本当にこの”大切な人にもう二度と会えない”という絶望に弱いのです。
自分がそんな体験したわけでは全くないのに。
ヴァイオレットは育った環境のせいか、少々感受性が表に現れづらい女の子でした。最初はあまりにも人の心の機微がわからないので、障害があるんだと思っていました。
でも、自動手記人形サービスという、人の気持ちを文字に書き起こす代筆業を通して、心というものがどんなものなのかを徐々に感じ取っていくヴァイオレットを観ているうちに、彼女も一人の女の子なのだという当たり前の事実が浮き彫りになるのです。
ヴァイオレットが”愛してる”の意味を本当に理解した時、どうなるのだろう、と今からドキドキしています。
そして、少佐にもう会えないと知ったら、どうなってしまうのだろうと。
あ〜、想像しただけで胸が苦しくなって涙が込み上げてしまいます。
こういう美しい作品を鑑賞すると、本当に世界に感謝したい気持ちでいっぱいになります。
出会えたことに感謝せずにはいられない傑作です。まだ完結していませんが、もう最初から傑作すぎて・・・。
回想シーンでギルベルト少佐が出てくるたびにまたウルッとなってしまいますよ。愛に溢れているから。嗚呼、本当に、少佐が生きていてくれたらよかったのに。
世の中にはいろんな感情がありますが、やっぱり一番心を打つのは愛ですよ。
愛。
尊いアニメ作品です。多くの方に観ていただきたいと思います。おわり。