たまたま目に止まって、なんとなく読んだ漫画が面白いと嬉しいです。
『あれがいいこれがいい』は、ちょっとDQNな高校生たちを中心とした短編の連作なのですが、なんだか、面白かった。
ギャグもあり、少し切なさもあり、とにかくユーモアあふれる、そんな作品でした。
私も中学生の時、上下スウェットにキティちゃんサンダルを履き、つけまつげをつけて、ヴィトンのパチモンの財布を片手にマクドナルドに行くような女の子だったので、表紙の”プリン”ちゃんにとても親近感が湧きました。
ちょっと田舎の、アホだけどたまに鋭い子供たちを巧みに描いた作品でした。
この漫画を読んでから、いがわ作品が気になり、他のものも読んでみました。
この『虹の娘』は、表紙がとても印象的で、もう読んだことがあると思っていたのですが、中身をぱらっと見たら、未読の作品でした。勘違い。。
こちらも短編集で、笑いとシュールがないまぜになった独特の世界観でした。
それと、読んでいるうちに気づいたのですが、いがわさんの描く美人がとても好きです。イケメンも好きです。この人の絵をもっと見たい、そんな気持ちにさせる作家さんだと思いました。
続いて『ちぇみと三兄弟』を読みました。
この作品は面白いけれど若干惜しい感じもしました。終わり方が少し尻切れというか、もっと膨らむと思っていたので期待を裏切られた感がありました。
でも、次男の言くんがすごく面白かったです。腹がたつと兄が可愛がっていた熱帯魚も兄のメガネもなんでも天ぷらにしてしまうところなど、とても笑えたしちょっと愛しいと思ってしまいました。笑
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いがわさんの漫画を何作品か読んで思い至ったのですが、こういう、べったり仲良しではないけれど、言いたいことが言えて丁度いい距離感をとっている家族っていいですね。
人との付き合い方も、そんなに気を使わずに、でも離れすぎない距離感で一緒に居られるととても楽しそうだと思いました。
喧嘩して、相手のメガネを天ぷらにできるような、そんな家族なら私も欲しいなぁとぼんやり考えてしまいました。
社会に出て仕事したりしていると、人と話したり働きかけたりするのって本当に面倒でしんどいと感じることがほとんどですが、
過去をかえりみると、やっぱりいろんな人と関わって会話して、怒ったり悲しんだり呆れたりしている時の方が記憶に残っているし、思い出して笑えたりします。
腹も立つけど、疲れるけど、やっぱり私は人を嫌いになれないなぁと改めて思い返す、
そんな思考喚起力を持つ作家さんを見つけた気がしました。
これからも楽しみにしたい漫画家・いがわうみこさんです。おわり。