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れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

人生と欲:『自分の時間を取り戻そう』

久々に自己啓発ちっくな本を読みました。

自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

 

ネットではかなり有名人なちきりんさんの最新刊。彼女のブログは大学生の頃から読み始めていて、著書も全部目を通しています。

そこからどれくらい自分の生活にアウトプットできているかと振り返ると・・・ですが。

この本では「生産性」をキーワードに、人生の希少資源である時間やお金を最大限有効活用し、自分の人生を最大限素敵なものにしようという提言がなされています。

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私は最初に就職したのが食品メーカーで、新入社員時代は全員会社の心臓部である工場で働かされるので、生産性という概念はかなり身近なものでした。

本社から降りてくる日々の生産数ノルマを、できるだけ短時間で確実に達成するために、機械の回転数から休憩のシフトの組み方から常に創意工夫をしていました。

商品によっては非常に作業量の多いラインがあって、準備から片付けまで細かくタスクを分析して、隙間時間をいかに上手に使って1秒でも早く家に帰れるかばかり考えていました。

どうしてあんなに躍起になって早く仕事をこなそうとしていたかというと、仕事が嫌いだったからです。

いや、嫌いというよりも、家に帰ってからのやりたいことがもっとたくさんあったからかもしれません。

定時に上がったら帰り道のスーパーでお菓子をたくさん買って、家に着いたら掃除洗濯をして大好きなアニメを見ながらお菓子をバリバリ食べてお酒を飲み、いい気分で今度はゲームをして、お風呂に入って眠る・・・

社会人になりたての頃、乙女ゲームにはまり始めていたので、とにかくゲームする時間が欲しかった記憶があります。

旅行も大好きですが、いかんせん休みが全然ない職場だったのであまり遠くへは行けず、有給もあっという間に使い切り、休日出勤がかさんだせいで時間はなかったけれどお金はかなり貯まりました。

最初はあんなにしゃかりきになってスピードを上げていた仕事も、洗練されたおかげで今度は時間があまり、退職する頃には暇で仕方がなかったです。

「このままここにいてもなぁ〜」とぼんやり考え始めていた頃に同期の女の子が1人辞め、それで一気に辞める気持ちが高まりそのままボーナスをもらって即辞めました。

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あの工場で一番忙しくてキツイという現場に配属された時は、胃のあたりがズンと重くなる感覚がありました。

でも、とにかく仕事を覚えて自動化し、日々工夫を重ねてそれらがうまく回り始めた時は、結構達成感と満足感を味わえました。

あの達成感は、その後転職した別の職場では全然ありません。もちろん今も。

この『自分の時間を取り戻そう』という本が今の自分になかなかピンとこないのは、今の仕事が定時で上がれるし、就業時間もまあまあ短いし、むしろ時間が余っていると感じるくらい暇だからかもしれません。

だから終盤の「さいごに〜人生のご褒美〜」の章を読んだ時にものすごく納得してしまいました。

仕事がおもしろくない会社員は、たいていダラダラと働いています。さっさと働くと、終業までの時間が長すぎて耐えられないからです。 

(中略)

仕事をやめようかどうしようかと半年も1年も悩んでいる人は、たいてい”ダラダラモード”に入っています。そのモードであれば、1年でも2年でも、場合によっては5年でも10年でもブツブツ言いながら働けてしまいます。

いまの自分はもしかしたらこの”ダラダラモード”かもしれません。ぎゃー。

私は今のところ「仕事を辞めたい」とか「辞めるかも」とは全く口にしていません。口に出したら経験上、100%の確率でそこからすぐ辞めるからです。

でも、口には出していなくても、心の中では1年くらいぐるぐる考えていることがあります。

「今の職場はすごく恵まれている。終業時間は今まで働いたどの職場よりも短いし、その割に給料も生活に困らないレベルだ。癖のある上司や取引先もないわけではないけれど、基本的にみんないい人だ。厳しいノルマもないし、時間の裁量権もかなり自分にある。今までこんなに自由な職場環境はなかった。

メディアという業界も面白いと思う。有名人を生で見られたりするし。この前も気になっていた新人アーティストに会えて、おまけにCDまでもらえた。スポンサーと制作陣と全てのタイミングが奇跡的にあって面白いものができた瞬間はとても嬉しい。

でも、この仕事が自分に向いているとは全然思えない。チャレンジしようと思って営業になってみたけれど、やっぱり自分は人づきあいがあまり好きではなかった。飛び込み営業も苦ではないし、初対面の人と話すのも全然平気だ。嫌なのは、好きでもない人と長い付き合いをしなければならないことや、一緒にいたいと思わない人とお酒を飲んだりご飯を食べたりすることだ。自分が全然いいと思えないモノやサービスをPRするのも苦痛だ。

自分があまりアイディアマンではないというのも実感としてある。私は人の真似をしたり、作業効率を上げたりするのは得意だが、1から新しいものや面白いものを考えることは得意ではない。

そして何より、暇だ。この仕事は自分で仕事を取ってきて、自分で自分を忙しくしない限り暇なのだ。そして私は忙しいのが大嫌いだし、仕事を増やしたところで給与も休日も増えないので、自分を忙しくするという誘因・動因がない。今の仕事量なら、週に5日も会社に行く必要はない。3日あれば十分だ。

向いてないのがわかっているなら辞めて他の道を探すべきだと思うけど、正直他にやりたい仕事もない。というか仕事したくない。働くのなんて全然好きじゃない。他人と暮らすのが嫌だから、今の楽しい一人暮らしを続けたいからその費用捻出のために、できるだけ短い時間でできるだけ少ない苦痛で稼げる仕事を選んでいるだけだ・・・」

すごく長くなってしまいましたが、普段考えていることはこんなようなことです。

こうして改めて見ると、私は本書にも出てくる”「働かないでほしい」と望まれる人”だと思えます。ベーシックインカムで25万円もらえたら、絶対働かないですもん。

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さらに、今の私は新入社員の頃ほどやりたいことがありません。

旅行も転職の間のニート時代や今の職場の季節休暇で行きたいところは行ったし、ゲームも今はそこまでやりたいものがないし、服も家電も欲しくない・・・欲望が枯渇しているのです。

大好きなアニメが見られて、インターネットで面白いものが見られて、たまに旅行できて、今の状況で満たされてしまっているのです。

「人生をより良いものに」と考えるほど、私は自分の人生に執着していません。生まれてきたことがそもそも不幸くらいに思っているのは、このブログでも書いている通りです(参照:これとかこれとか)。

「自分の時間を取り戻そう」と奮起するほど、自分の時間ってなんだろう?と根本的なことが気になってしまうのです。

そういう問題提起として、この本を読んでみるのもアリかもしれません。おわり。