「あー確かに!」ととても共感したセリフを発掘しました。
ヤマシタ先生曰く「女の子がもがいている様が大好き!という気持ちをふんだんにぶち込んだ話」との本作品は短編集で、話に出てくる女性はわりとお洒落だったりわりと美人だったりわりと仕事ができたりする、中の上くらいの女性がほとんどでした。
そんなわけで、あんまり共感できるわけではなかったのですが、ひとつだけ「まったくそのとおりだな」と思うセリフがあったんです。
それがこちら。
「…わたしはさ ソリの合わない女と話しててもソリの合わない男と話すときみたいな憎しみは湧かないから」
「にくしみ…高子さんてさ けっこう男きらいだよね」
「そうね!」
「即答っ」
6番目の短編の最初のほうに出てくる会話です。
いや~本当にその通りです。ソリの合わない男と話すとき、私は憎しみを覚えていたのだとはっきり自覚しました。
さっぱり系美人の高子さんとその恋人・柳井君が居酒屋で話している内容なのですが、まず作品の冒頭で2人が初対面のときの場面が出てきて、そこで高子さんが極めてにこやかに爽やかにぶちかまします。
「わたし「女の人って恐いよね~」とかふぬけたツラで抜かす男の人ってほとんど殺したいくらいの気持ちなの!!」
このときの晴れやかな表情と言葉のインパクトに柳井君はやられたといいます。
私もやられました。高子さんの指摘はどれも的確で一寸の狂いもないくらい気持ちをピタリと言い表してくれます。
いままで「男の人ってなんとなく苦手」とか「なんとなく嫌い」とかわりとぼんやりした自覚だったのですが、これは憎しみだったのかと腑に落ちました。
どうして憎んでいるのかまではいまだにはっきりしませんけど。
ソリの合わない女だってたくさんいるのに、彼女たちには憎しみは湧かないのです。それは彼女たちが”女”だからに他ならない。
自分が女だからというのももちろんありますけどね。
なんでだろう。。思索はまだまだ終わらないですが。おわり。