ここ数カ月、だだハマりしている漫画があります。
チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス モーニング)
- 作者: 惣領冬実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/23
- メディア: コミック
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ルネサンスのイタリアを舞台にした歴史漫画で、主人公はこの時代の代表的な軍人・政治家のチェーザレ・ボルジアです。
史実にところどころフィクション・ドラマを織り交ぜながらも、この時代を非常に緻密に描いている漫画です。
あらすじは以下。
1491年11月、ピサのサピエンツァ大学に16歳の青年アンジェロ・ダ・カノッサが編入してきた。大学での講義の最中、周囲の空気を読めないアンジェロはその言動によってメディチ家の子息・ジョヴァンニの面子を潰してしまう。その仕返しに、ジョヴァンニに誘われた馬の遠乗りでアンジェロは騎乗している馬を暴走させられ、崖に落ちそうになる。だが、その寸前に一人の青年に助けられた。彼こそが名門貴族ボルジア家の後継者、チェーザレ・ボルジアであった。
当時のイタリアは周辺の列強諸国による干渉にさらされ、またカトリック教会も権力闘争の場となっており、800年に渡って繰り広げられたイベリア半島再征服運動(レコンキスタ)の完了を目前とした激動の時代が始まろうとしていた。そのような中、1492年、時の教皇インノケンティウス8世の崩御とそれに伴う次期教皇選挙(コンクラーヴェ)が始まる。チェーザレは父ロドリーゴ・ボルジアやメディチ家、ラファエーレ・リアーリオ枢機卿などと手を組みながら権謀術数を駆使し、自らの理想を実現するための戦いを始める。
(Wikipediaより)
読み始めたきっかけはおなじみのAmazon無料本キャンペーンです。
私は昔から歴史はめっぽう弱くて、大学受験でも地理を選択しており、世界史については一般人以下の知識しかありませんでした。
チェーザレのことも名前すら知りませんでした。
初めは"枢機卿"やら"教皇"やら、知らない言葉だらけだったのですが、
物語が進むにつれてどんどん世界観にのめり込み、続きが気になってしかたなくなりました。
主人公のチェーザレは眉目秀麗、頭脳明晰ないい男で、これがまた惣領さんの繊細かつ美しい画力で描かれていて最高に綺麗なのです。
チェーザレの妹・ルクレツィアの麗しさも必見です。
建物も馬も、すべての描写が丁寧で圧倒されます。
そして何より物語ひとつひとつが非常に濃厚で、一冊一冊がものすごい読み応えです。だから長く楽しめるのです。
そしてスペインもフィレンツェもピサも、どの立場にいるキャラクターもそれぞれ細かく描くことによって、出来事が多面的にとらえられます。
また、キャラクターがどんどん魅力的になっていくんですよ。
フィレンツェの名家であるメディチ家の次男・ジョバンニなんて、はじめはツンとしたちょっと嫌味な奴だったのに、今では愛すべきぽっちゃり君といった趣です。とってもかあいいやつなのです。
ジョバンニを見ていると、人間は挫折しながら大きく成長するのだなぁと納得します。
Wikipediaをサーフィンして知ったのですが、なんとジョバンニ、将来教皇になるのですね。胸熱ですよ。ロレンツォ(ジョバンニの父)が病床で、ついこのあいだ枢機卿になったばかりのジョバンニが、教皇になる夢を見たと言って死んでゆくんですが、まさに予知夢なんですね。史実を知っているとさらに泣けます。
ああ、なんだか登場人物ひとりひとりにフィーチャーして、個別にエントリが書きたくなってきました。
面白い登場人物が多すぎるのですよ!
歴史音痴の私でも知っている人物もよく出てきます。マキャベリとかミケランジェロとかレオナルドダヴィンチとかコロンブスとか・・・
名前と作品くらいしか知らなかった偉人たちが、どんな世界でどんなふうに生きていたのか垣間見ることができるというのも、この作品の大きな魅力ですね。
絵の美しさ、物語の面白さと奥深さ、魅力的な登場人物たち、
すべてが最高レベルの傑作漫画です。
読み応えのある人間ドラマを読みたい方、今一番のおすすめです!おわり。
Kindleまとめ買いしようかな。。