れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

『SHIROBAKO』

2か月まったく手つかずのまま過ぎてしまった当ブログ…お久しぶりです。

この2か月、バタバタしているあいだにも面白いアニメや本にたくさん出会っていたというのに。

そんなわけで、今回ご紹介したいのは、先月最終回を迎えたアニメ『SHIROBAKO』です。

SHIROBAKO 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

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あらすじは以下。

1 - 12話

上山高校アニメーション同好会の宮森あおい安原絵麻坂木しずか藤堂美沙今井みどりの五人は、いつかもう一度、共に商業アニメーションを作ろうと「ドーナツの誓い」を立てた。

その二年半後、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に就職したあおいは、同社七年ぶりとなる元請け作品『えくそだすっ!』に制作進行として携わることとなり、忙しい日々を過ごしていた。しかし、慣れてきた仕事に慢心するあおいを嘲笑うかのように、次々トラブルが発生する。足りない原画、過労で倒れるスタッフ、こだわりから仕事を増やす監督、社内で対立する2D班と3D班、上がってこない絵コンテ、抜けていくスタッフ。それらのトラブルと向き合いながら、あおいは多くの仲間、先輩に助けられながら、様々な人と出会い、成長していくのだった。

かつて高校の同好会で一緒に作品を作った仲間達もまた、悩みや挫折を抱え、向き合いながら過ごしていた。アニメーターの絵麻は原画マンとしての壁に苦悩し、声優を目指すしずかは役に手が届かず涙を飲む。3Dクリエイターを目指す美沙は現在の自分の居場所の先に理想を見出すことが出来ず、脚本家を目指すみどりは夢に向かって進み続けるあおいたちの姿に焦りを感じ始めていた。彼女達も、各々が先輩や仲間に支えられることで活路を見出し、「あの日の約束」という目標を目指して日々を歩んでいた。

そして、武蔵野アニメーションの『えくそだすっ!』の制作は、最終話という佳境を迎えることとなる。作品は完成を間近にして、絵コンテを実現できないかもしれないという瀬戸際にきていた。納期が刻一刻と迫る中、社内の別ラインで外注の仕事をこなしていたベテランアニメーター・杉江の活躍により、無事予定していた形での原画の作業が完成し、仕上げのスタッフに仕事は引き継がれていった。

クリスマスの日、『えくそだすっ!』の白箱は完成する。無事に納品も終わり、打ち上げの席にクリスマスプレゼントとしてラインプロデューサーの渡辺から届いたものは、最終話の白箱。スタッフ一同で最終話を鑑賞し、その一年を締めくくった。

13 - 24話

年は明け、迎えた新年。年の瀬に渡辺、メーカープロデューサーの葛城が映像化権の獲得に動いていた、『第三飛行少女隊』を武蔵野アニメーションが手がけることが決まっていた。武蔵野アニメーションは新たなメンバーを向かえ、次の作品を作る日々が始まる。

(Wikipediaより)

アニメ製作会社を舞台にしたアニメという面白い構図と、魅力的なキャラクター達が織り成すアツい人間ドラマが相まって、非常に優れた作品でした。

 

特に印象に残っている場面を順不同に挙げていきます。

1.やさぐれる坂木しずか

 オーディションになかなか受からずアニメの仕事にありつけないしずかが、夜中に若手人気声優が出演するバラエティ番組を観ながら酒を飲んでやさぐれている場面がとても印象的でした。テレビの中の声優の「最近忙しくてなかなか休みがとれないんですよー」といった発言に対して「代わってやろうか~」と恨めしくひとりごちるしずかが可笑しくも愛おしいです。友人たちの前では健気に前向きな姿勢を見せているものの、内心穏やかでない、でもそれを知られまいとするしずかの葛藤と努力がにじみ出ていて、笑えるけどちょっと泣けます。

2.タローと平岡の友情が芽生えた夜

 中途採用でちょっと屈折した性格の平岡となんとか打ち解けようと、社内一のお調子者・タローが平岡と二人で飲みに行くのです。初めは面倒くさそうにしていた平岡ですが、タローの押しの強さに負け、少しずつ自分について語っていきます。

 学生時代には大きな夢を抱き、就職してやる気に満ち満ちていた平岡青年は、さまざまな現実に打ちのめされ、働き続けるうちにかつての夢や野望を無くしていきました。平岡が話し終えた時、タローは号泣して「つらかったね」と同情してくれました。その反応に不覚にも感動した平岡、そして2人でべろべろに酔っ払い、最後にはへべれけになりながら大声で大きな夢を叫び合います。

 ここはめちゃめちゃ泣けます。純粋に希望をもっていたからこそ、社会に出て現実を知って絶望してしまうんですが、それでも最初の希望を捨て切れなかったから、業界から離れられなかった平岡の苦しみを、パッと見アホで脳天気で超テキトーな(失礼)タローが、しっかり受け止めて励ましてくれるんですよね。タローのそのアホさに救われるというか、やっぱりこういう人も世の中には必要だなあと感じました。

 そして2人で馬鹿騒ぎしながら夢を叫ぶ姿は、切ないけどやっぱり笑えます。

3.しずかがルーシー役をやりきったとき

 後半の『第三飛行少女隊』編で、上山高校アニメーション同好会の面々が徐々に同じ作品に関わるようになっていく中、オーディションに落ち一人だけ蚊帳の外と思われていたしずかが、最後の最後に新しいキャラクター「ルーシー」の役に抜擢されます。急遽収録することになり現場に居合わせた宮森は、しずかがスタジオに入ってきたことに驚きます。

 その後、新しく作られたシーンに声をあてていくしずか。それを間近で観ていた宮森は、思わず熱いものがこみ上げてきて静かに号泣します。

 ここは本当に感動します。今も思い出しながら泣けてきたくらい名場面です。

 高校を卒業して、それぞれ制作や作画や3Dやシナリオや、各々社会に出て頑張ってきたのは「いつかもう一度この5人でアニメをつくる」という大きな夢があるからでした。そして今回一つの作品に少しずつではあるもののかつての仲間皆が関われて、あとは声優のしずかだけだったんです。でも、声優の世界が特に厳しいのは皆痛いほどわかっていて、だからきっと心のどこかでは諦める気持ちも少しはあったと思うんです。

 そんな中今回、思わぬ形でしずかが声をあてることができたことと、苦しい中でも諦めずに頑張ってきたしずかの計り知れない苦労と苦悩が報われた喜びと感動で、宮森は涙を堪え切れなかったんですね。後日、ルーシーのシーンの作画のために、絵麻もしずかの演技を観るのですが、やっぱり絵麻も号泣してました。

 

本当にたくさんの印象深いエピソード・名場面が多くて、まさに名作だと思います。

このアニメを観て、やっぱり夢を持って働いている人って素敵だなと思いましたし、チームで一つの作品を創り上げていく、アニメ制作っていいなあ、とも思いました。

また、働くことと自分のやりたいことのすり合わせや折り合いのつけ方など、自分を顧みて考えさせられる場面もありました。

笑って泣けて、でもそれだけでは終わらない、非常に深みのある作品でもあります。

ここ数年のアニメの中で、一番のおすすめです!おわり。