れっつ hang out

ひまをつぶしましょう

毎週号泣する:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

年をとったから涙もろくなったのでしょうか。否。

胸に迫る美しい物語なのです、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が。

こんなに毎週泣けるアニメはそうそうないです。

美しく、悲しく、切ない。

この先いったいどうなるのでしょう。続きが気になる反面、毎週物語を噛み締め、言いようのない気持ちになります。

 

あらすじは以下。

とある大陸の、とある時代。大陸を南北に分断した大戦は終結し、世の中は平和へ向かう気運に満ちていた。

戦時中、軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍を離れ大きな港町へ来ていた。

戦場で大切な人から別れ際に告げられた「ある言葉」を胸に抱えたまま――。

街は人々の活気にあふれ、ガス灯が並ぶ街路にはトラムが行き交っている。 ヴァイオレットは、この街で「手紙を代筆する仕事」に出会う。

それは、依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。

彼女は依頼人とまっすぐに向き合い、相手の心の奥底にある素直な気持ちにふれる。

そして、ヴァイオレットは手紙を書くたびに、あの日告げられた言葉の意味に近づいていく。

公式サイトより)

 

主人公・ヴァイオレットにとっての大切な人・ギルベルト少佐。

彼は戦争の最中、亡くなってしまったんです。

でもヴァイオレットは少佐の死に際の「愛してる」という言葉の後の記憶がほとんどなく、少佐はまだ生きていると思っています。

そして、軍事ばかりの日々であまり情緒豊かに育ってこなかったヴァイオレットは、「愛してる」という言葉の意味が正しく理解できずにいました。

心には強く強く残っているのに・・・。

 

アニメを観ていた最初の頃は、ヴァイオレットが”「愛してる」が知りたいのです。”というたびに泣いてしまいました。

孤児だったヴァイオレットに始めて暖かく接してくれた少佐。

一緒に戦って、一緒に生活する中で、互いにかけがえのない存在となったヴァイオレットとギルベルト少佐。

お互いに強く想い合っていたのに、一番大切な人同士だったのに、

戦争という運命にのまれ、もう二度と会うことができない二人。

 

切なすぎます。

私は本当にこの”大切な人にもう二度と会えない”という絶望に弱いのです。

自分がそんな体験したわけでは全くないのに。

ヴァイオレットは育った環境のせいか、少々感受性が表に現れづらい女の子でした。最初はあまりにも人の心の機微がわからないので、障害があるんだと思っていました。

でも、自動手記人形サービスという、人の気持ちを文字に書き起こす代筆業を通して、心というものがどんなものなのかを徐々に感じ取っていくヴァイオレットを観ているうちに、彼女も一人の女の子なのだという当たり前の事実が浮き彫りになるのです。

 

ヴァイオレットが”愛してる”の意味を本当に理解した時、どうなるのだろう、と今からドキドキしています。

そして、少佐にもう会えないと知ったら、どうなってしまうのだろうと。

 

あ〜、想像しただけで胸が苦しくなって涙が込み上げてしまいます。

こういう美しい作品を鑑賞すると、本当に世界に感謝したい気持ちでいっぱいになります。

出会えたことに感謝せずにはいられない傑作です。まだ完結していませんが、もう最初から傑作すぎて・・・。

回想シーンでギルベルト少佐が出てくるたびにまたウルッとなってしまいますよ。愛に溢れているから。嗚呼、本当に、少佐が生きていてくれたらよかったのに。

 

世の中にはいろんな感情がありますが、やっぱり一番心を打つのは愛ですよ。

愛。

尊いアニメ作品です。多くの方に観ていただきたいと思います。おわり。

一発で六弥ナギに恋に落ちます:『アイドリッシュセブン』

アイドルアニメが乱立する昨今ですが、やっぱり2次元アイドルは素晴らしいです。

現在放送中のアニメ『アイドリッシュセブン』の第8話で、主人公の7人アイドルグループ「アイドリッシュセブン」のメンバーの一人、北欧系のハーフ・六弥ナギ君にノックアウトされました。

 

私はアイドル系アニメは基本的に楽曲が好きかどうかを第一に考えます。

以前ご紹介した『ツキウタ。』や、『うたの☆プリンスさまっ♪』などなど、作中に出てくる楽曲が音楽として素晴らしいとアニメ視聴を継続します。

 

アイドリッシュセブン』の楽曲も悪くはありませんが、そこまで大好きなわけではないです。

ただし、アイドリッシュセブンはキャラクターデザインが種村有菜大先生であるというのが私にとっては大きくて、なんとなく視聴していました。

種村有菜先生といえば、小学生の時にどハマりした『神風怪盗ジャンヌ』の作者であり、彼女のイラストを自由帳にずっと真似して描いていた私からすれば、もう”神”と言っても差し支えない存在なんです。

なので、そんな神がデザインしたアイドリッシュセブンのマネージャー小鳥遊ちゃんがもうまずめちゃめちゃ可愛くて、アイドリッシュセブンのメンバーもみんな個性的でイケメンなので、曲がそこそこでも楽しくアニメを鑑賞していたのです。

 

しかしストーリーを追ってみると、アイドリッシュセブンというアイドルグループはなかなかデビューまでの道のりが険しいグループなんですね。

アニメ公式サイトのあらすじは以下。

「小鳥遊事務所」に集められた、未来を担うアイドルの卵たち。 お互いに出会ったばかりの7人は、性格も個性もバラバラ。 けれど、それぞれに異なる魅力を持ち、アイドルとしての未知の可能性を秘めていた。 グループを結成し、共に第一歩を踏み出した彼らの名は「IDOLiSH7アイドリッシュセブン。 光り輝くステージで歌い踊る姿は、やがて人々の心を惹きつけていく。 華やかだが、時に厳しいアイドルの世界で 彼らは夢を抱きながら、その頂点を目指す――! 

アニメ『アイドリッシュセブン』公式サイトより)

最初にやったライブがガラガラすぎたり、野外ライブで土砂降りが来たり、メンバーが発作を起こしたり、ライバル事務所からチャチャ入れられたり、次から次へと一難去ってまた一難という感じなのです。

 

アニメ最新話の第8話では、せっかく掴んだ地上波の歌番組の生放送で歌詞が飛ぶミス(しかもその直前にスタジオの度重なる変更とか楽屋荒らしが入って持病持ちのメンバーの医療器具が壊れて発作寸前とかいろいろあった)が発生して台無しになるという展開が訪れます。

 

過去最悪の出来と言っても過言ではないダメダメなステージに一同消沈し、責任を感じて行方をくらましたメンバー・和泉一織くんをみんなで探します。

一織くんが見つかって、みんなで慰め合いつつもいまひとつ暗い雰囲気が拭えない時、冒頭でも触れた北欧系ハーフの金髪メンバー・六弥ナギくんが「オッケ〜イ」と微笑みながら階段を駆け上がって月明かりの下で他のメンバーとマネージャー小鳥遊ちゃんに呼びかけます。

「ワターシ、踊りマス!

皆さんの好きな歌、歌いマース!

何がいいデスカ?」 

一同は一瞬あっけにとられ困惑しますが、ナギ君は優しい微笑みをたたえたまま続けます。

「ワターシ、アイドルでス。

ひとを笑顔にするのが仕事。

ミナサン笑ってほしいデース!」 

そうして得意なターンをしてみんなに微笑みかけるのです。

 

ナギかっこいい〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

と叫んでしまいました。イケメンすぎる。見た目もかっこいいですが、心意気が。

 

苦手なキックウォークでよろけて笑いを誘った後、みんなに呼びかけます。

「一人でも踊れマース。

でも、まだ一人では見栄えしなーい。

ンン〜、誰かお手伝いを・・・oh、ガール!」 

そして小鳥遊ちゃんを呼んで二人でくるくる回り、メンバーたちに「Please,music!」と音楽を要求します。

なかなか立ち直らないメンバーを見ると、ナギは小鳥遊ちゃんからも音楽をねだるよう促します。

「ここにあるミュージックボックスに、コインは要りまセーン。

”聴かせて”と誰かが言えば、何度でも蘇りマス。

月が満ちるように

朝日が昇るように

私たちのハートビート、決して、決して、絶えることはアリマセン! 」

そしてナギの力強い言葉にメンバーたちは笑顔を取り戻し、立ち直って一件落着・・・

また来週以降も波乱のようですが・・・

 

私はこのナギ・オン・ステージに泣きました。

この、困難にぶち当たってもまた立ち上がる前向きな姿勢とひたむきさ。

諦めない情熱に胸を打たれます。

2次元アイドルってこうなんですよ。輝きが凄まじい。無条件に応援したくなるキラキラした少年・青年たち。

ああ〜本当に感動しました。完全にナギ推しになりました。

ちなみに逢坂壮五くんも結構好きです。

 

原作のスマホゲームには手を出していないんですが、そのうち何かに手を出してしまうかも・・・なんて。

とにかくナギのかっこよさに思わず感想を書かずにはいられませんでした。

心を動かすってこういうことなんだなぁ。おわり。

心をチューニングする音楽:RAMMELLS「playground」

営業職について3年、社用車の中ではほぼほぼラジオを聴いているのですが

いろんな放送局をザッピングしてどれもいまひとつな時、自分のiPhoneBluetoothをつないで音楽を流します。

 

先日会社でちょっといろいろあり涙もろくなっていた時

ラジオを流していても心が落ち着かず、iPhoneに切り替えました。

その時すごく気分にフィットしたというか、落ち着いた曲がRAMMELLSの「playground」という曲でした。

playground

playground

  • provided courtesy of iTunes

RAMMELLSは昨年末に多くの地方ラジオ局でデビューアルバム『Authentic』の中の、特に「2way traffic」という曲がパワープレイされていて、なかなか良かったのでアルバムを手に入れました。


RAMMELLS Debut Album「Authentic」トレーラー映像

捨て曲のないいいアルバムだと思いました。

 

そして注目していた矢先、タワーレコードでフリーライブをするという知らせを目にして、池袋のタワーレコードに聴きに行きました。

ヴォーカルの黒田さんのヘソ出しルックに釘付けになりましたが、生で聴いてもやはりいい演奏・いい曲・いい空気感で、すっかりファンになりました。

 

ラジオのオンエア用で推されているリードトラックは先ほども書いた「2way traffic」の他に「CHERRY」という曲もありますが

ライブで聴いてあらためて1番好きだと思ったのが「playground」で、iPhoneにもしばらく入れっぱなしにしています。

 

テンポもゆるくて、でも和音がファ〜っと綺麗に広がる、心地よさと心もとなさが絶妙なバランスでおりなすメロディが本当に素晴らしい名曲だと思います。

 

車の中で聴いているうちに波立っていた気持ちが凪いで、なんとか持ち直した先週末だったのでした。おわり。

今一番オススメしたい漫画:『デビルズライン』

あまりに面白い作品に出会うと、寝食を忘れて没頭してしまいます。

それくらいのめり込む作品に出会いました。 

1巻から表紙は怖いし、絵もそこまで丁寧ではなかったんですが

ストーリー、キャラクター、世界観すべてがずば抜けて面白く、夢中になりました。

ハードな青年漫画かと思いきや、”りぼん”や”なかよし”も顔負けの胸キュンラブストーリーもあり、「人間とは何か」という根源的な問いまで兼ね備える意欲作です。

 

あらすじは以下。

吸血欲をもった「鬼」と呼ばれる存在が静かに息づく現代日本。人と鬼のハーフであり、警視庁公安五課で鬼の犯罪を取り締まっている安斎結貴は、捜査の最中、大学院生の平つかさと出会う。惹かれあう2人は、やがて鬼の抹殺を企てる組織「CCC」や、それを裏で操る黒幕の陰謀に飲み込まれていく。 

Wikipediaより)

つかさは最初は隙だらけで優しいけど頼りない女の子だったんですが、安斎に本気で恋していろんな苦難を経験するうちに、すごく強い女の子になりました。

つかさは乙女ゲームの主人公になれるくらい、真摯で一生懸命な子ですね。応援したくなる感じの。

安斎も理屈抜きでつかさに惹かれていきますが、彼は自分の中の鬼が暴走してつかさを傷つけてしまうことをとっても恐れているので、なかなか強くなれない。現在10巻まで出ていますが、10巻通してやっと前に進むことができてきたのが安斎、安斎が前に進むために懸命に愛し支えてきたのがつかさ、というふうに捉えています。

安斎とつかさはとにかく相手を思いやっていて愛し合っていて微笑ましいです。健気で可愛いカップル。

他にもいろんな登場人物たちが紆余曲折しながら愛や恋に右往左往する様子が物語として非常に面白く引き込まれます。

 

私が特に好きなキャラクターは李ハンス!安斎と同じヒトと鬼のハーフでありながら、研究所で数々の人体実験にさらされた彼は、血を定期的に一定量摂取することで自分の中の鬼を制御できている稀有な存在です。

外見からかなり奇抜で、デスノートのLとリトルウィッチアカデミアのスーシィを足して2で割ったような変人なんですが、私はとにかくこういうキャラが大好きです!

ここのところ私はずっとスーシィ目指して髪を伸ばしてきたのですが、10巻のハンスのようにウルフヘアにするのもありか・・・?なんて思ったり。

 

また、ラブストーリーや魅力的なキャラクターもさることながら、誰が味方で誰が敵かが二転三転するスリルとサスペンスもこの作品の大きな魅力です。

鬼の抹殺を企てる組織「CCC」、この組織自体、謎が深まるばかりなんですよね。前半CCCのキーパーソンである菊原がかなり怖くて、でもどこかカリスマ性があって惹かれて、まるでPSYCHO-PASS槙島聖護のよう。ところが、物語が進むにつれて菊原の新たな側面が見えてきて、前ほど怖くないというか、むしろ心配になるような不思議な心持がします。

他にも、スパイや二重スパイ、そこに厚生労働省など国の陰謀や恋愛・嫉妬・怒りや悲しみといった人間の感情が複雑に絡み合うダイナミックなストーリー。シビれます!

 

このブログは基本的に容易くネタバレしてしまうのですが、この作品はぜひ真相をその目で見ていただきたいです。というか、ネタバレレベルで掘り下げるといつまでたっても終われない気がするくらい見所が多すぎます。

さらに嬉しいことに、今年の4月からアニメ化するそうです!キャストを見ると、思わず「よくわかってるな」と唸ってしまうほどのピッタリな配役。菊原を槙島聖護と重ねてしまうのは私だけではなかったのですね。CV.櫻井孝宏さま、我が意を得たりです。あー楽しみ!

アニメ放送開始前に、読んでみてほしいオススメ漫画です。おわり。

『サトコとナダ』

私は来月28歳になる、かなりいい年こいた成人女性なのですが

生まれてこのかた日本国の外に出たことがありません。

ここ数年で飛行機嫌いを克服し、北海道や沖縄や奄美大島などには出かけたのですが

所詮は同じ国、大きなカルチャーショックは経験したことがありません。

そんな引きこもりの私に世界の広さを面白おかしく教えてくれる4コマ漫画がありました。 

サトコとナダ 1 (星海社COMICS)

サトコとナダ 1 (星海社COMICS)

 

日本人留学生のサトコと、サウジアラビア人留学生のナダが、アメリカでルームシェアしながら仲良く暮らす模様を描いた4コマ漫画です。

WEBで読むこともできます。

 

イスラム教徒について、日本にいるとついつい過激派のイメージばかり先行してしまうことがありますが

イスラム教がどういう宗教で、イスラム教徒の女性がどういう気持ちで生活しているのかを漫画を通して少しだけ垣間見ることができました。

 

イスラム教徒の女性のイメージといえば、ニカブ・ヒジャブ・チャドル・ブルカと言ったかぶりもので顔や目元以外ほとんどわからない印象ですが、

そもそもこうして肌を見せない根幹には「肌を見せなきゃ男に狙われることなく安心」など、女性保護の意識があるんですね。他にも、映画館のような狭い部屋の中で女性と男性が一緒に過ごすのは良くないとされるというのも似たような原理だそう。

逆に、サトコとナダが暮らす家の中は女性しかいないので、女子の友達も呼んで女子会をするときは皆かぶりものを脱いで思い思いのオシャレをして過ごしており、最初はびっくりしました。

サトコとナダがショッピングする場面で、印象的だったシーンが下記。

「あら かわいいじゃない

セールだし買っちゃいなさいよ」

「かわいすぎて私が着ちゃいけないような気がして」

「ふ〜ん・・・

私は私のために服を買うけどね どうせ知り合いしか見ないから 大好きな服を着るわよ 

サトコって服装自由なのに

私よりよっぽど不自由ね」

サトコみたいにかわいい服に萎縮してしまう日本女性って結構たくさんいるのではないでしょうか。かくいう私もそういう気持ちわかるなーと思っていたので、ナダの慧眼に驚きました。

 

他にも、サトコがナダたちのお祈りの様子を見学していた際、ヒジャブ等をかぶっていないムスリマの人がいることに驚いているシーンも勉強になりました。

ヒジャブをかぶっていないムスリマの人もいるんだね」

「そうね

みんな世界中から来てるものイスラム教徒は世界中にいるしね(中略)

自分と違う格好や暮らし方をしてる人を 蔑視したり仲間はずれにしては いけないのよ 強制もしてはだめ」 

そうなんだ〜って感心してしまいました。視野が世界中に向いていれば、自分と違う格好や暮らし方をしている人ばかりなのが当たり前だから差別意識が生まれにくいのかもしれません。

今でこそ日本にもたくさんの人種・宗教の方が暮らしていますが、それでも職場によってはまだまだ純日本人の似たような階層の人で固まっているので、ちょっと異端なことをするとたちまち悪目立ちして孤立したりしますよね。

 

一番感動したのは1巻の巻末に描かれている、ナダがサトコと出会う前のシーンです。

サウジアラビアから単身アメリカへ留学してきたナダは、ホームシックを紛らわせるためにハディースイスラム教の預言者ムハンマドの言行録)を読み返し、

「豊かさとは富の多さではない。豊かさとは心の満足(知足)によるものである。」という一文に感銘を受けました。

それからナダは一念発起してルームメイトを探し始めます。

「なあにナダ あなた ルームメイトを探してるの?」

「そうよ」

ムスリマコミュで聞けば すぐ見つかるわよ」

「それじゃダメなの!

・・・新しいことに挑戦したいと思ったの

せっかくアメリカに来たんだもの

アラビア語で話すのもほどほどにして

新しい扉を開けなくちゃ・・・」 

それでもなかなかルームメイトは見つからず、諦めかけていたところにサトコから連絡が来て、2人は出会ったのでした。

 

英会話スクールの体験講座でフィリピンの女の子とちょっと話したことがあるのですが、ほんの数時間話しただけでもいろんな驚きや発見があったのを思い出しました。

異国で、自分と違う文化を持つ人と同じ部屋で暮らすなんてことがあれば、それとは比べ物にならないくらいのカルチャーショックがあるのでしょう。

外国に行ってみたくなる作品でした。おすすめです。おわり。

『違国日記』

読んだら胸がスッとする漫画に出会いました。

胸がスッとするというか、頭の中が少しクリアになるというか、そういう感じ。

違国日記(1) (FEEL COMICS swing)
 

あらすじは以下。

「へんな人と 暮らしはじめた。 お父さんとお母さんが 死んだので。」

35歳、少女小説家。(亡き母の姉) 15歳、女子中学生(姉の遺児)。

不器用女王と子犬のような姪が おくる年の差同居譚。

手さぐり暮らしの第1巻!

少女小説家の高代槙生(35)は 姉夫婦の葬式で遺児の・朝(15)が

親戚間をたらい回しにされているのを 見過ごせず、

勢いで引き取ることにした。 しかし姪を連れ帰ったものの、

翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。

槙生は、誰かと暮らすのには不向きな 自分の性格を忘れていた……。

対する朝は、人見知りもなく “大人らしくない大人”・槙生との暮らしを

物珍しくも素直に受け止めていく。 

pixivコミックより)

 

槙生さんってすごく真っ当な大人の女性だと思うのですが、こういう人って現代の日本社会では生きづらいのかもしれませんね。繊細だし。

読者である私自身、槙生さんの言葉に救われたような気がします。

例えば、両親が突然死んだけれどもいまひとつ悲しみがやってこないことに不安を覚えた朝ちゃんにいった槙生さんの一言。

 「・・・・・・わたしがへんなのかと思ってた・・・・・・」

「・・・どうだろう へんかも知れない」

「えっ」

「でもあなたの感じ方はあなただけのもので誰にも責める権利はない」

ああそうだよなぁ、と目がさめるような気持ちでした。

仕事で、自分の感想とか意見に対して変だのおかしいだの間違ってるだの言われて過ごしていると、責められることが当たり前になってしまっていたけど

本来そんなものを責められる筋合いはないよなぁ、としみじみ思いました。

 

槙生さんはそのあと、朝ちゃんに日記を書くことを勧めます。

「この先 誰があなたに何を言って

・・・誰が 何を 言わなかったか

あなたが 今・・・ 何を感じて何を感じないのか

たとえ二度と開かなくても

いつか悲しくなったとき

それがあなたの灯台になる」 

 

朝ちゃんの親・槙生さんの姉の葬儀が終わり、親戚一同の心ないたらい回し談義から朝ちゃんを救い出して家に連れ帰った槙生さんのかっこよさったら・・・女が惚れる女ですね、槙生さんは。

「あなたの寝床はきのうと同じだ そこしか場所がない

部屋はいつも散らかってるし

わたしは大体不機嫌だしあなたを愛せるかどうかはわからない

でも

わたしは決してあなたを踏みにじらない

それでよければ明日も明後日もずっとうちに帰ってきなさい

たらいまわしはなしだ」

人って案外簡単に他人を踏みにじってしまうものだと思います。

私も、多分意識的にも無意識的にも他人の気持ちや感性を踏みにじって生きてきました。踏みにじられることもたくさんあります。

「わたしは決してあなたを踏みにじらない」って、簡単に言えるようでなかなか言えない言葉だなって気づいてハッとしました。

槙生さん自身が繊細であり、相手の気持ちに立ってものを考えられるからこそ発することのできるセリフだと。

 

槙生さんと朝ちゃんが一緒に暮らし始めて、朝ちゃんがノートに日記を書き始めるシーンも好きです。

「日記は 今 書きたいことを書けばいい

書きたくないことは書かなくていい

ほんとうのことを書く必要もない」

「・・・・・・日記なのに?」

「日記なのに

別に誰にも怒られないし

書いていて苦しいことをわざわざ書くことはない」 

私も中学生の頃、ノートに手書きの日記をつけていた時期があります。

いつの間にか捨ててしまったけど、書いたことは結構覚えていて、多分今読み返したらめちゃめちゃ楽しめると思います。バレンタインデーに好きな男の子に手作りチョコ渡したときのこととか、テストでいい順位が取れて嬉しかったこととか。

オンラインのブログも同じ時期から書いていて、こちらは高2くらいからずっとログを残してあり、今でもたまに読み返します。

ほんとうのことも、もしかしたら妄想かもしれないことも、嬉しいことも悲しいことも腹が立ったことも書いたり書かなかったりしています。

最近は仕事の愚痴が9割で、正直読み返しても面白くないし、書いててもすっきりしないです。いつの間にか書くスタンスが歪んでいたのかもしれません。

一度槙生さんの助言を受けて立ち返ってみたいと思いました。

 

物語の中で少しずつ出てくる槙生さんの姉・朝ちゃんの母について、

まだ全貌はわかりませんが、読んでいると自分の上司(部長)と似ているなぁと感じる部分があります。

「あ でも・・・

わたしは落ち込みやすいクズなので・・・

圧は弱めで」

「え? あはっ!「圧」

おかーさんがよく言うやつだ!

「こんなあたりまえのこともできないの?」

わかった かけない 「圧」」 

今の上司(部長)って、周囲も認める”圧の塊”みたいな人なんですよね。

もうね、はす向かいに座ってるだけで圧を放ってくるんですよ。

槙生さんほど繊細じゃない私でも、かれこれ2年弱くらい圧に少しずつやられてメンタル参ってます。

槙生さんにはつくづく共感させられます。

 

自分が最近生活の中で貯めていた”しっくりこないもの”の正体を

槙生さんが非常に鮮明に言語化してくれる場面がたくさんあり

読んだ後ものすごく穏やかな気持ちになったんです。

ストーリーも面白いし、これから物語はさらに進んでいきますが

今のタイミングでこういう作品を読めた幸運を記録しておきたいと思いました。

他人の感受性を責める権利は誰にもない、自分の迂闊な一言で誰かの人生を変えてしまうこともある、そういう”当たり前だけど忘れがちなこと”を改めて再確認するきっかけとなった作品です。おわり。

肉体関係と人間関係と性産業と:『目を閉じても光は見えるよ』

新年明けましておめでとうございます。

大晦日から元旦へ向かう午前0時を跨いですぐ、なぜかBL漫画をダウンロード購入して読んでいました。

年明けから読み応えのある良作に出会えました。

目を閉じても光は見えるよ (ドットブルームコミックスDIGITAL)

目を閉じても光は見えるよ (ドットブルームコミックスDIGITAL)

 

年末年始、家族とともに過ごす方も多いと思いますが

改めて家族とか友達とか、人とのつながりの在り方について考えるきっかけを与えてくれる作品でした。

 

舞台はゲイビデオの制作会社です。

主人公の天羽光は人気急上昇のネコ男優。

そしてもう一人の主人公・猪原仁35歳は、ノンケ向けのAV男優として活躍していましたが、仕事仲間のマリ子さんが腐女子向けのゲイビデオレーベルを立ち上げる際にスカウトされ、ゲイビデオのタチ男優として光とタッグを組むことになります。

体の相性は良い二人でしたが、仕事以外ではほとんど関わりがありませんでした。

 

そんなある日、光の家にストーカーが侵入し部屋に猫の死体を送りつけられる事件が発生し、実は光と仁は同じマンションに暮らしていたことがわかります。

事件を解決する中で二人はだんだんと打ち解け、友人関係になります。

 

光は仁と付き合いが長いマリ子から、仁のとある過去について聞かされました。

それは、仁が昔、セフレだったAV女優に本気で惚れられて、避妊具に細工されて子供ができてしまった時のことでした。

「絶対堕ろせ 産むな 産んだとしても俺は絶対認知しないって一筆書かせ」た仁のことをマリ子は”男としてはゴミカス”と評しましたが、仁本人もそれに反論するつもりはないようです。

ここの、仁と光が釣り堀しながら仁の考え方について会話する場面が印象的で好きです。

「俺は特定の一人とつきあったり家庭を持つことに昔からまったく興味がなくて・・・

というか生理的に無理なんだよね

子供なんてできたら困るから避妊はキッチリ神経質にしてたし

用心してたんだけどなぁ・・・若かったし甘かった

怖いから俺もうパイプカットしちゃったよ」

私はここまで徹底した考え方を持つ仁をゴミカスとは思えませんでした。

仁はフツーの家庭で育ったそうですが、どことなく他人に対して冷めていて常識とズレているところがあると光は感じていて、だからこそ一緒にいて居心地がいいのでした。

 

ふたりが釣り堀で遊んでいた帰り、突如仁のケータイに連絡があります。

前述した仁の中学生の息子・斗真が万引きして捕まり、母親が連絡がつかず父親である仁の元に連絡が来たのでした。

元AV女優の母親は金だけ置いて恋人のところに行ってしまい、金を遣い切ってしまった斗真は腹が減って菓子パンを盗んでしまったとのこと。

店に頭を下げ斗真を引き取り3人で仁の家に向かう途中、仁と斗真は言い合いになります。

ここもなかなか読み応えのある場面です。

「他人にチンコ見せて金取ってる奴が偉そうにするんじゃねぇぞ恥さらし!」

「・・・・・・痛烈だな」

「薄汚え仕事しかできねぇド底辺のくせによく堂々と生きてんな」

「言っとくけど俺だって迷惑

急に君と暮らせだなんてまったく気がすすまない

でも俺は法的に責任があるから君の面倒をみなきゃならない

君も成人するまでは大人の保護のもとに暮らさなきゃいけない

それだけだ」

仁を冷たい父親だと思うことも可能ですが、これくらいハッキリ気持ちを伝えてくれる仁をある意味誠実だとすら思う私。

 

その後、斗真は隙を見て仁の家を抜け出し光の家に避難します。

光は思春期の難しい斗真にオロオロしながらも、放っておけず少しの間面倒をみることに・・・

だんだん光になついてきた斗真は、自分の家庭のことや学校でうまくいかないことをぽつぽつと吐露し始めます。

子供のことを1番に考えることができない元AV女優の母と現役AV男優の間に生まれた斗真。

運動神経抜群でサッカー部のレギュラーでもあった斗真ですが、ある日自分の母親のアダルト動画がクラスの間で拡散され、周りから笑い者にされて学校に行くのが億劫になってしまったのでした。

家庭内も、恋人にうつつを抜かして息子のことはお構いなしの母親と存在すらろくに認知していない離れて暮らす父親しかいない斗真は、「オレは・・・ひとりぼっちなんだよ」と光の同情を引こうとしおらしく振る舞います。

しかし、そこで「そんなことないよ」とか気休めを言わない光。

父も母も、1番とはいかなくても、何番かには斗真のことも大切に思っているかもしれないと励まし、切ない顔のまま続けます。

 「そういう・・・2番とか3番とか10番とか100番くらいの愛情を細かく稼いで生きてくしかないときってあるんだよ」

「普通オヤって子供に1番の愛情をそそぐもんじゃねえのかよ!!」

「普通なことばっかじゃないんだよ

でも・・・生きていかなきゃ」

励ましている様子が伝わって、斗真はいつしか光にメロメロになってしまいます。

仁のDNAを受け継いだ色気のある中学生・斗真にちょっとクラッときてしまう光もかわいくて笑えました。

 

まあ、すべての親御さんが子供を1番に愛してくれていればいいなとは他人事のように思いますが、現実にそんなことは全然ないことはよくわかっています。

人の親だと言っても、所詮はただの人間です。自分本位になって当たり前です。

最初は可愛かったかもしれない子供も、自我を持ちわがままになったら面倒になるかもしれないし、そもそも生まれる前から面倒に思う母親・父親だっているでしょう。

自分勝手だとは思うけど、どうにもなんないんでしょうね、きっと。いつの時代もそういう親はいるでしょう。斗真の母親のような。

 

もう一つ、斗真の境遇を見て”性産業で働く人”を取り巻く環境についても考えてしまいました。

大学の応用倫理の講義でもこの話題を何時間も掘り下げて議論したことがあります。

大学生の頃の私は、フェミニズム的な考えと、それでもあんまり女性の味方もしたくない、複雑な気持ちでレポートを何枚も書いていましたが、今でも先生が言っていたことを覚えています。

「性産業も一つの産業として成り立っているし、そこに需要も供給もあることは確か。でも、例えば母親がAV女優だったり父親がAV男優だったりする子供が、自分の親の仕事を誇りに思って周りに自慢できるかといったら、どうしてもそうはならないと思う」

話を聞いていた自分も、もし自分の親が・・・と思考してみましたが、やっぱり先生と同じ結論に辿り着きました。

自分の子供が周りにおおっぴらにできないからといって、性産業で働く事が絶対悪になるとは思いません。

光も、虐待されたり医療少年院送りになったりした辛い過去の末行き着いた今のゲイビデオの現場を充実していると感じているし、仕事を楽しいと心の底から思っていたし、仁も多少後ろめたい気持ちはありつつも自分の仕事を恥じたりはしていません。

「世界中に顔とケツの穴晒して仕事してんだよ・・・

今更おれに守りたいもんがあると思う?」 

上記は光のセリフです。光は綺麗な顔で普段は穏やかな青年ですが、このセリフの時は迫力がありました。

 

この話題をあまり掘り下げても仕方ないとは思いますが、光みたいな男優と、AV女優ではまた違う部分もあると思うんですよね。

社会システムもそうですけど、この性産業界、ひいては性に関するあらゆる面で未だに男性と女性の扱いの非対称性は強固だと思います。

 

なんにしても、一般企業のしがない営業マンとしてくさくさしながら働いている自分よりは、体張ってゲイビデオで稼いでいい仕事仲間にも囲まれている光や仁たちの方がずっと幸せだと思いました。

私は中度の男性潔癖性で世の中のほとんどの男の人に触ると気持ち悪くなってしまうのと、レズビアンでもなければ顔も体も人前に晒せるようなレベルじゃないので生涯性産業では働かないし働けないですが、もし働けたらもうちょっといい稼ぎにありつけたのになぁとしみじみ思うことはあります。

 

***

 

物語はその後、光の重い過去がネットに広まったりその過去の清算があったりすったもんだありますが、最終的には仁と光は互いを1番に愛し合うようになりハッピーエンドとなります。よかった。

いろんなBLがありますが、やっぱり愛に溢れたセックスが1番ですね。やっぱ愛でしょ、愛!

 

ま、そうは言っても愛とはそうそうありつけるものではありません。現実には。

そんなわけで、今年も物語の中の愛の夢をたくさん見て、心の栄養としながら孤独に生きていく所存です。おわり。